「~倍録画」って何?
最近のレコーダーでは長時間録画機能を「~倍録画」などと言って表現しています。ビデオテープの時代は長時間録画のLPモードではテープの速度を1/3に下げて標準の3倍の時間の録画をしていました。
これに対して、デジタルビデオレコーダーの場合、「~倍録画」とは、オリジナルと同じ容量で何倍の長さの映像を記録できるか?をあらわしています。なお、現時点ではその1倍速の基準はBS放送をベースにしています。BS放送はビットレート約24Mbpsなので、その半分の約12Mbpsで映像を記録すれば2倍録画、約8Mbpsであれば3倍録画になるわけです。
長時間録画の「最大~倍録画」の意味
現在の圧縮技術の限界から、ある程度の画質で圧縮するにはある程度のビットレートが必要になります。
長時間路録画でも一定の画質を保つことを考え、あまり低いビットレートには対応しないメーカーもあるし、より長時間録画をすることを考え、できる限り低いビットレートに対応するメーカーもあります。これは、そのメーカーの長時間録画に対する考え方のスタンスの問題です。
倍数が大きいほど同じ容量で長時間録画が可能なわけですが、倍数が大きいほど必ずしも優れた長時間録画機能ではないのに注意が必要です。なぜなら、より長時間録画ができるということが、同等のビットレートでの画質がいいということを意味していないからです。
たとえば、東芝のRD-X8は7倍録画が可能で、パナソニックのDIGAは5.5倍録画が可能です。RD-X8の方が数値が大きく、より長時間の録画が可能なのはたしかですが、これは記録できる時間をあらわすだけで、画質はまた別の問題になるわけです。
DIGAのハイビジョン解像度で5.5倍速(ビットレート約4.3Mbps)というのは現在の圧縮技術である程度の画質を保つ限界と言えます。東芝レコーダーの7倍速録画というのは、より長時間録画が可能であることに意義があるわけです。