婚約はどういう場合に成立する?
長い期間交際していると、互いに結婚を意識する場合もあるでしょう。しかし、だからといって、婚約の成立が認められるわけではありません。 |
では、婚約はどういう場合に成立するのでしょうか。結納が交わされたり、結婚式場の予約をしたりしていれば、お互いに結婚しようとする合意があったということは、はっきりしています。しかし、婚約が認められるためには、必ずしも、このような特別な行為は必要とされていません。口約束であっても、婚約は成立します。ただし、どんな場面でなされた合意であっても、すべて婚約と認められるわけではありません。酔った勢いで「結婚しよう」と一言ささやいたからといって、必ずしも婚約があると認められるわけではないのです。結局のところ、最終的には、婚約が不当に破棄されたときに、保護されるべき期待権があるかどうかを検討することになるといえます。
婚約は成立していない
そうすると、このケースでは、そもそも結婚の約束がありません。5年前に彼女が結婚を申出たものの、彼はそれをいったんは拒み、最近になって、彼は改めてプロポーズしました。5年前の彼女の結婚の申出と、最近の彼のプロポーズによって、結婚の合意が成立したと考えることはできません。また、このような状況では、互いに「この人と結婚するのだ」という期待権があるともいえません。よって、婚約は成立していません。法的には浮気自由!?
婚約がない以上、あなたは二股交際をしたことを理由に、彼から賠償請求されることはありません。彼がいくら、あなたの二股交際により精神的なショックを受けたとしても、婚約が成立していなければ、彼にはあなたの性的活動を制御する権利はありませんので、慰謝料は発生しないのです。つまり、婚約がなければ、道義的にはともかく、法的には浮気自由というわけです。次回は、婚約があるケースについて説明します。
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