シンプルライフ/シンプルライフの達人

砂漠を走るシンプルライフ!(4ページ目)

草木も生えない、生き物の影もない、地球上で最も過酷な環境の一つ「砂漠」。そこを七日間かけて250キロを、何度も走破してきた女性に、究極のシンプルライフをお聞きします!

金子 由紀子

執筆者:金子 由紀子

シンプルライフガイド

人間のスゴさとシンプルさ

2009年ナミビア。前年のチリアタカマでボランティアとして働いていたディアナとのゴール。とても明るい性格のお姉さんで、レース中も何度も励まされた(峯澤)。(c)m.minezawa
ガイド:走っていてつらいことは?
峯澤:疲労がたまってくると、体が動かなくなる。そうなると、泣きたい気持ちになりますね。
ガイド:どのくらいで動かなくなる?
峯澤:いつか、ルールが変更になって、1日の走行距離が100キロになったことがありました。当然、日が落ちても走らなければなりません。暗くなるとテンションが落ちるのか、だんだん足が上がらなくなって、走れなくなる。でも、そんなときも、他の国の人と励ましあい、走り抜くことができました。人間ってすごい、と思いました。同時に、どんなに疲労困憊していても、きちんとご飯を食べて、一晩ゆっくり眠れば、また翌朝は走り出せる。人間ってシンプルにできているんだなとも思いました。

最小限だけど、すべてある!

ナミビア・スケルトンコースト。海岸と砂漠が背中合わせになった世界でも珍しい地形。ここで座礁する船が多く、港に着けても大きな砂丘を抜けては生き返ることができない不毛の地として骸骨海岸(スケルトンコースト)と名づけられた(峯澤)。(c)m.minezawa
ガイド:砂漠のランナーに必要なものは?
峯澤:走力は2、あとの残りは創意工夫だと思います。砂漠のレースって、シンプルライフと似ているかもしれませんね。衣食住すべてがミニマムなんだけど、快適でないといけない。最小限なんだけど、必要なものは全部ある。

砂漠という極端な環境に身を置くと、本当に必要なものがあぶり出されてくるのかもしれません。「日本みたいな便利な社会はすばらしいけど、あまりに便利な商品があふれすぎて、今度はモノがストレスになっているのでは」(峯澤さん)
砂漠を走ることはなくても、そのスピリットは参考になるのではないでしょうか。


「いつかは究極の砂漠・南極レースを目指してます」。華奢な外見とうらはらのアスリート魂!
峯澤美絵 フリーライター。99年よりマラソンを始め、ホノルル、NYシティマラソンを完走。2005年より4デザートレースに参加、以来エジプトのサハラ、チリのアタカマ、ナミビアのナミブ砂漠のレースを完走。2007年にはフランスのトランスアキテーヌにアジア人として初めて参加。

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