水まわりには洗剤要らず
こんなパーツまで、毎日ピカピカ… |
トイレにも洗面所にも、マットや飾りはなく、出ているモノはほとんどありません。
「水まわりの掃除に洗剤を使ったことがありません。風呂上りに、バスタオルで床の水気だけは拭き取ります。壁や天井までやりません。でも、これだけでもずいぶん違いますよ。唯一、この“フキペット”(友の会で頒布しているお掃除用クロス)を使うくらい」
それなのにこの美しさ!
「汚れはね、水なんですよ。水気を取り除くことで、汚れも防げるんです」
水が汚れを呼び、汚れを固定するということですね! ああ、また目からウロコが~。
手は最良の掃除道具
「友の会の乳幼児講習で、若いお母さん方に、
“何を使ったら簡単にお掃除できますか?”
って聞かれると、こう答えるんです。
“手と拭くものがあれば、洗剤は要らないのよ”
って。子どもが小さくて、時間もゆとりもない若いお母さんに、洗剤なんか使って掃除する余裕、あるわけないです。何もないときは“手”がいちばん。洗面台を使ったあと、洗面ボウルの内側を手で一こすりするだけだって、じゅうぶんキレイになります」
大切なのは、道具じゃなくて、とにかく手を動かすことなんですね。
家はその人の作品
「羽仁もと子先生の本で、
“見えないところから、見えるところに及ぼしていくことが大切”
という意味の一節があります。本当にそうだなって思います。きちんと掃除をすると、自分の言葉が違ってくるんです。家族にかける言葉が変わってくる。逆に、家の中が荒れてくると、言葉も荒れます…」
家の中は、家族を写す鏡なのですね。今回、吉比さんのお宅を拝見し、お話を伺うなかで、ガイドが痛感したこと。それは、
「ああ、このお宅は、吉比さんが40年かけて作り上げた芸術作品なんだなあ」。
それは、お話のなかからほの見える、立派に成長された二人のお嬢さんや、ご主人との仲むつまじいエピソードからも知ることができます。どんなハイレベルな家事サービスにも、この作品は作れないでしょう。
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