癒されるホタルと癒されないホタルがいる?
ヘイケボタル。中流域のやや下流、田圃近くで見られる。見頃は7月初旬から中旬頃(写真提供:ドライブガイド上田泰久) |
板橋区ホタル飼育施設の阿部宜男さんの研究は、茨城大学の稲垣 教授との出会いがきっかけ。共同研究により、ホタルの発光パターンに1/fゆらぎ(人間に対して精神的な安らぎを与えてくれる可能性のある変動(波)現象)があることを、1000時間に及ぶデータの蓄積から、実証しました。
その人を癒すホタルの光。研究によって3つのパターンがあることがわかったと阿部さんはいいます。
「ひとつは求愛。草の陰にいるメスに向けてオスのホタルが発光する。これには1/fゆらぎ、いわゆる癒しの効果があるのですが、そのほかに、音や風になど刺激による光や、蜘蛛の巣にかかったり、別の場所に連れ去られたりする時に発する威嚇光には、興奮によるベータ派が観測されて、癒し効果はないんですよ」。
つまり、自然の状態で、そこに自生しているホタルには癒し効果があるものの、採ってきて籠の中で光らせるようなホタルには、本当の癒しは期待できないらしい。
板橋区ホタル飼育施設のせせらぎ。このあたりにゲンジボタルが自生する。 |
つまり、すべてをひっくるめて、ホタルに癒し効果がある、とは一言では言い切れないのです。
では、どこのホタルなら、ほんとうの癒しの力があるのでしょう。
次ページではほんもののホタルが見られるスポットをご紹介します。