冬の旅。ちょっと寒くて散策には不向きだ。なんて思っている人はいませんか。温泉宿でじっとごろごろと過ごすのもいいですが、冬は冬ならではの散策が楽しいのです。
枯れ木と思っている木々の梢に小さな芽を見つけたり、梅や椿のつぼみの赤の鮮やかさに溜息を吐いたり、蝋梅(ろうばい)の可憐な花を愛でてみたり。都会でも里でも、冬らしさの中に春を確実に感じ取ることができます。
そして、この時期ならではの散策のお供が、甘酒です。ほのかに甘い米麹や、酒の芳醇な香りが楽しめる酒粕でつくる甘酒。
昔ながらの製法にこだわった日本の伝統甘味飲料です。栄養とビタミン、そしてアミノ酸も豊富な甘酒は健康にも美容にも最適の飲み物。
凍えた体を一気に温めてくれる甘酒を求めて、ちょっと散策に出かけてみませんか。
冬枯れの澄んだ空気とほっとする甘酒が、血のめぐりの悪くなった体に活力を与えてくれますよ。
1.■東京散策で見つけたい伝統の甘酒ベスト3
2.■箱根、鎌倉散策のお供。こだわりの甘酒
3.■酒粕派必見!諏訪・高山の酒蔵めぐりで見つける極上酒粕
東京散策で見つけたい伝統の甘酒ベスト3
江戸時代には冷やして夏の飲料だった甘酒。江戸っ子にも人気の飲み物でした。今も江戸から続く伝統製法を受け継ぐ甘酒があります。東京の景色の中で飲みたい、散策で見つけた甘酒ベスト3を勝手に選出してみました!
【神田明神 天野屋】
神田明神の参道にある天野屋の店先 |
「地下6mの天然の創業当時からの土室(むろ)より作り出される糀(米かうぢ)をもとに、さらに手を加えて生成し熟成を待って作り上げられたもの」という、こだわりの米糀が上品な甘さとコクを生み出しています。
最初はちょっと薄味かなと思うのですが、飲んでいるうちに、後味に甘みが増してきて、なんとも幸せな気持ちにしてくれます。店内で飲むと自家製味噌も口直しに付いてきます。
周辺には神田明神のほかにも御茶ノ水駅聖橋を中心に湯島聖堂やニコライ堂(日本正教会)などがあり、ちょっとした散策が楽しい場所です。
<データ>
店の外で飲む甘酒は紙コップ。持ち帰り用の甘酒(945円)は冷凍すれば夏まで保つ |
天野屋
・交通:JR中央線御茶ノ水駅、千代田線新御茶ノ水駅より徒歩3分
・住所 〒101-0021
東京都千代田区外神田2-18-15
・電話03-3251-7911
・営業時間 平日 9時~18時
祭日・日曜日 9時~17時
12月2週目~4月2週目の日曜日まで冬季無休
・定休日 4月3週目~12月1週目の各日曜日
及び夏期休業日
・明神甘酒 350円、店内400円
【増上寺 芝縁】
増上寺と東京タワーを眺めつつ、ほっこり温かいひとときを過ごせる芝縁 |
増上寺からは芝浦、六本木ヒルズ、愛宕神社への散策コースもあり。都心のちょっとしたオアシス散策を楽しめます。
<データ>
増上寺(サイト内に芝縁の紹介あり)
交通:JR浜松町駅より徒歩5分、東京メトロ大門駅より徒歩2分
住所:港区芝公園4-7-35
定休日:毎週火曜日
営業時間:10:00~16:00
電話:03-5473-7087
甘酒:350円(冬季限定)
【人形町 甘酒横町】
その名も甘酒横町。明治のはじめ、この小さな通りに「尾張屋」という甘酒屋さんがあったため、この名が付いたといいます。残念ながら今、このお店はなく、通りの名だけが残りました。
ですが、通り沿いの豆腐屋「双葉商店」の店先で特製米麹の甘酒をいただけます。こちらはさっぱりとした味わいで、麹のほのかな香りが横丁に漂っています。
付近には水天宮や辻村ジュサブロー館などの見所や、親子丼の元祖といわれる玉ひでなどもあり、歩いて楽しく、食べておいしい町です。
<データ>
双葉商店
交通:地下鉄日比谷線、浅草線、半蔵門線の人形町駅から徒歩約5分
住所:中央区日本橋人形町2-4-9
電話:03-3666-1028
営業時間:7:00~20:00
休業日:無休
甘酒:200円
<関連リンク>
■懐の深い街・日本橋人形町 その1 人形町デビューだ。甘酒横丁(All About東京ガイドのレポート)
■夏ばてに甘酒? 実は栄養ドリンク(All About 食と健康ガイド)
■家庭の味、今はブランドで勝負? 日本酒ブランドの甘酒(All Aboutコンビニグルメガイド)
次ページでは鎌倉と箱根の名物甘酒をご紹介。千葉、諏訪、高山の酒蔵の美味なる甘酒も登場です。味わいの差を愉しむのも、通な旅人です。