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海外での病気・ケガ費用も健康保険が適用(5ページ目)

海外旅行や短期留学先で病気やケガをして現地で病院にかかった際の医療費は、「海外療養費」として払い戻し請求が可能な健康保険や国民健康保険。その具体的な内容をご紹介します。

執筆者:すずき ゆき

海外旅行傷害保険とはカバー範囲が異なる

健康保険の海外治療費
健康保険と旅行保険の違いをよく知ってから検討しよう!
ここまで読んで、「な~んだ、それなら今度から海外旅行傷害保険(留学保険など)には入らなくていいや」と思った人もいるかもしれませんが、そこはよ~~く考えてみましょう。医療費や治療方法は、国や医療機関によって大きく異なります。特に、欧米諸国などでは医療費が日本の標準額と比べてかなり高額になるケースが多く、手術や入院をした場合には百万円単位の治療費を支払うこともあるのです。

ちなみに、AIU保険調べ(2005年)で世界各国の盲腸手術の総費用によると、一番高額なのはホノルルで232万1000円(1ドル=110.5円換算)、2位がニューヨークの194万5000円、以下20位のグアムでも52万6000円かかります。
参考資料
「盲腸手術総費用ランキング」AIU海外保険調べ
健康保険がカバーしてくれるのは日本国内標準保険診療費のため、例えば盲腸手術の場合日本では1週間の入院と手術で30~40万円が相場と言われています。仮に40万円を標準保険診療費として計算しても、返金されるのは28万円です。ホノルルでは204万1000円、ニューヨークでも166万5000円が自己負担となってしまいます。

一方、海外旅行傷害保険では、規定範囲内であれば実際にかかった治療費が全額支払われます。高額の医療費がかかりそうなときに支払保証をしたり、提携医療機関に対して直接治療費を支払ったり、といった心強いサービスも提供しています。

また、治療費だけでなく、ホームステイ先での火災や物の破損に対する賠償責任、持ち物の携行品などの補償、けがや病気の時に日本から家族が現地に赴くための救援者費用など、カバーされる内容は健康保険とは全く異なるのが海外旅行保険です。単純に「健康保険でカバーされているから、保険に入らなくていいや」というのではなく、その内容やメリットも考慮した上で、海外旅行保険の加入の是非を決めるといいでしょう。
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