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海外での病気・ケガ費用も健康保険が適用(3ページ目)

海外旅行や短期留学先で病気やケガをして現地で病院にかかった際の医療費は、「海外療養費」として払い戻し請求が可能な健康保険や国民健康保険。その具体的な内容をご紹介します。

執筆者:すずき ゆき

治療費全額が払い戻しされるわけではない。支給額算出の方法

健康保険の海外治療費
支給額は日本の医療費の標準をもとに算出します
海外療養費は提出書類の審査を経て、給付金額が算定されます。ここで注意したいのは、海外で支払った治療費をもとに、返還金が算出される訳ではないということです。基本的には、日本国内で治療を受けた場合に給付される金額を基準として決定した標準額をもとに算出されます。

海外では歯科治療費が高いことで有名ですが、例えば、海外で歯科治療を受け10万円かかったとします。これと同じような治療を日本で受けた場合の平均的な金額が2万円だった場合、これが標準額となるのです。そのため、差額の8万円は必ず自己負担になるという訳です。
実際に支払った医療費(実費額/支給決定日の外国為替レートで円に換算)が標準額よりも大きい場合(Aパターン)は、標準額から被保険者の一部負担金相当額を控除した額となります。また実費額が標準額よりも小さい場合(Bパターン)は、実費額から被保険者の一部負担金(※)相当額を控除した額が払い戻されることとなります。
※一部負担金割合は、日本国内での受診と同じ(一般被保険者の場合は3割)

具体的には、実費額が標準額より大きい場合(Aパターン)。前述の海外で歯科治療が10万円かかった例がそれにあたりますが、標準額2万円の3割負担(一般被保険者の負担金割合)の6000円が自己負担金額になるため、1万4000円が支給額になります。この場合、差額の8万円と6000円が自己負担金の合計となります。

逆に実費額が標準額より小さい場合(Bパターン)。例えば、海外で実際に支払った実費額が2万円で、同じような治療が日本では5万円だった場合。この場合は金額の低い実費額2万円の3割負担の6000円が自己負担金額になるため、1万4000円が支給額返還金になります。この場合、実際に支払ったのが2万円で支給額が1万4000円で自己負担金の合計は6000円となります。

▼【Aパターン】日本国内標準保険診療費(?)より実際にかかった医療費(?)が多い場合
 払い戻し額=?-(? X 一部負担金割合)
 ⇒日本の標準額を超える分は自己負担

日本国内標準保険診療費(?)
実際にかかった医療費(?)
払い戻し金額
一部負担金
自己負担

▼【Bパターン】日本国内標準保険診療費(?)より実際にかかった医療費(?)が少ない場合

 払い戻し額=?-(? X 一部負担金割合)

日本国内標準保険診療費(?)
実際にかかった医療費(?)
払い戻し金額
一部負担金

次のページでは帰国後、申請に必要な書類をご紹介します。
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