イギリス、ハリー・ポッターのロケ地
ハリー・ポッターのロケ地として使われたキングス・スクールに1日体験入学した渡辺さん親子
荘厳な大聖堂のある伝統的な学校、そこで学ぶキリリとした子供たち、映画「ハリー・ポッター」の映像を観て「こんな素敵な学校で子供を学ばせたい!」と思ったお母様は多いのではないでしょうか?

今回は、その「ハリー・ポッター」のロケ地として一躍有名になったイギリスの「キングス・スクール」に体験入学をしてきた渡辺さん親子にお話しを伺いました。

渡辺さんのお子様は現在4歳のため、学校に併設されている準備校となるプレパラトリ・スクール(プレップ・スクール)で1日を過ごしました。そこでは、将来「キングス・スクール」へ入学するために、3~6歳のイギリスの子供たちが通っています。

455年前に設立された伝統あるキングス・スクール

イギリス、ハリー・ポッターのロケ地
キングス・スクールの校舎外観
<以下、渡辺さん談>今回私たちがお邪魔したキングス・スクール(The King’s School)は1541年にヘンリー8世によってグロスターに設立。ヘンリー8世は国内に7校を創立し、その中の1校です。イギリスのパブリック・スクール(「パブリック・スクールとは?」参照)の名門校の一つでもあります。16歳で受けるGCSE(義務教育終了資格試験)、A Level Exam(大学入学資格試験)でも生徒たちは好成績をあげているそうです。

当初は聖歌隊の学校でしたが、長い年月の間にこの地域の名門私立学校と成長してきました。この学校の生徒たちで編成されているグロスター大聖堂の聖歌隊は現在でもとても有名で、聖歌隊にメンバーになるための厳しいオーディションもあるそうです!!

学問だけでなく、こうした人格形成に必要な音楽や美術、演劇、スポーツなどの多彩なプログラムもとても魅力的です。3歳から18歳まで全校500名ですから、日本の学校とは較べられないくらいの少人数制の教育。これなら子供個人の能力や個性を十分に引き出す教育が受けられそうです。

映画「ハリー・ポッター」のシリーズ1の「賢者の石」、2の「秘密の部屋」とも撮影現場として使われ、キングス・スクールの生徒たちもエキストラとして出演しています。キャンパス内に建つ荘厳なグロスター大聖堂がハリーの魔法の学校として使われ世界中の人たちに知られるようになったとは、中世期の教会の僧侶たちが知ったらきっと驚くでしょうね! そんな名門パブリック・スクールとしての実績があり、ハリー・ポッターのおかげで日本でも有名になってしまった学校、キングス・スクールのプレ・プレパラトリー・スクール(以下ナーサリー)に体験入学してみました。

タイムスリップ?キャンパスの雰囲気にため息

キングス・スクールのキャンパス敷地内には今回お世話になるワードル・ハウスと呼ばれるナーサリー、ジュニアスクール、シニアスクール、寮などのスクール関連施設がグロスター大聖堂とともに建てられています。門から一歩敷地内に入ると、タイムスリップをしたよう。グロスター大聖堂に参拝する人々や観光客が歩いているものの、大聖堂、アイビーのからまる数々の建物。外の喧騒から離れ、伝統と歴史の長さを感じられる落ち着いた空気で満たされているような感じでした。ナーサリーはどこだろう?キョロキョロしながら門から敷地内に入り、向こうから歩いてきた女性に尋ねるとグッド・タイミング。その方がナーサリーの園長であるミセス・マッケインでした。

私たちだと分かるとミセス・マッケインはにこやかに園内に迎え入れてくださいました。建物もエントランスもとてもアカデミック。壁には子供たち向けのディスプレイがされているもののクラシカルな内装のせいでしょうか、全く子供じみていず、大人でも何だか落ち着ける空間です。日本の幼稚園のように「○○組の教室」のような仕切りもなし。2階建てのナーサリーの建物は「学校」ではなく、表現を変えるとミセス・マッケインの自宅、お屋敷といった感じです。

そのお屋敷のひと部屋に案内されると、ちょうど朝の会が終わり自由時間となったところ。ある子はブロックやおままごとセット等のおもちゃで遊び、ある子はお絵かきをし・・・と12人の子供たちが自由に好きなことをしている最中でした。娘は現在4歳。本来ならば4~5歳児対象であるレセプションクラスに該当するのですが、英語と学校の両方に馴染んでいないことがあり3~4歳児対象のナーサリークラスに体験入学です。先生方はクラスに3人。私たちが入っていくと「Hello」と優しく迎えてくれました。「お母さんも一緒がいい」と不安げな娘を置いて私はミセス・マッケインに園内を案内していただきました。

3~5歳から読み書きや算数の基礎を学ぶ

イギリス、ハリー・ポッターのロケ地
キングス・スクールのナーサリーの入口
階段横の壁には子供たちの絵が貼られていました。2階ではレセプションクラスの子供たちが先生を囲んでお話しを聞いています。レセプション、ナーサリーの両クラスとも、先生方が3人ずつ保育をしています。聞くと先生1人につき最大子供6名まで、の少人数制保育をおこなっているということでした。

たくさんの絵本、カラフルなおもちゃや子供たちの作品で溢れている室内は「楽しい子供の部屋」。掲示物の中には「I went to ~. “to”を忘れないこと!!」といった正しい文法を教えるポスターのようなものもありました。ナーサリークラスではフォネティクス(発音)を教えて文字を読めるようにし、レセプションクラス4歳あたりからアルファベットを書けるようにして正しいセンテンスを書く練習をしていきます。サイエンスは外遊びやクッキングを通して教え、算数に関してはゲームやおもちゃを使って小さいうちから数に対する概念を体得できるように指導しているのだそうです。

ミセス・マッケインの話しからも「将来のエリートを輩出する教育方針」が伺えます。幼稚園はのびのびと、小学校から「さぁ文字を習いましょう、計算ができるようにしていきましょう」と詰め込んでいく日本のゆとり教育とは大違い!! 感心してしまった私は日本の幼稚園、小学校のシステムやゆとり教育が抱えている話しをしました。小学校にあがる前の3~5歳時に文字の読み書きや算数の基礎を教えている国というのは、ヨーロッパ諸国の中でも多分イギリスだけではないかしら、とミセス・マッケイン。そしてその後「でもこんなにして早期教育をしても、ある年齢になればみんな同じレベルに達するのよね」と笑っていました。

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