おやつの時間もマナーのレッスン
おやつの時間が大好きなのは、日本もイギリスも一緒です |
13人全員でテーブルを囲み、おやつの時間。この日はミルクとビスケットが配られました。あまり日本で英語、英語、と詰め込んでこなかった娘。今回初めての英語オンリーの環境の中でどんな反応をしていくのかを見たい、というのも私の親子留学の目的のひとつです。「Would you like milk?」と聞かれて「Yes, please」ときちんと言葉で意思表示。これで十分です。
校舎のアチコチで、自然環境を考えた工夫が伺える
自然環境にも子供たちにも優しいくふうが施されている学校の中庭 |
校舎を挟んでグロスター大聖堂がそびえ立っています。何だか弾力のある園庭の地面、一見してコルク素材でできているよう。気になって先生に尋ねてみると、古タイヤをスクラップして細かくしたものをプレスし、マット状にしたものを敷き詰めているのよ、と説明してくださいました。雨が降ったり止んだりのイギリス。園庭が土だと、雨上がりはぬかるんで子供たちは遊べなくなります。このゴム素材だとコルク状になっているので雨をすぐに吸収し、濡れていても気にせず遊べます。滑らないし、弾力があるので子供が転んでも安全、しかも古タイヤをリサイクルしているので環境にも優しい、といいことずくめの開発素材です。
さすが自然環境に対する意識の高いイギリス!とまたまた感心しながら子供の遊んでいる様子を見ていた私に「あなたもいかが?」と紅茶とビクトリアン・ケーキを先生がすすめてくだいました。見ると今度は先生方のティータイム。ビクトリアン・ケーキを片手に、ミルクたっぷり、お砂糖たっぷり入れた紅茶を飲みながら子供たちを見守っていました。いつでもどこでも、やっぱり紅茶は忘れない。あぁ、イギリスだなぁ・・・寒空の下、私も遠慮などせずに紅茶とケーキをいただきました。日本であれば「教育中に飲食だなんて」と言われてしまいそうです。
きっちり、でものんびり、がイギリス流
紅茶を飲みながら先生とあれこれ世間話しをしたり、学校について聞いたりしていたら、男の子2人の叩きあいの喧嘩が始まりました。どうやら遊具で遊んでいる時にどちらかが邪魔をしたとかしないとかが原因のようです。先生が素早く仲裁に入り、叩きあいを止めさせました。何だか納得いかないまま2人は一瞬離れましたが、またひとりの子が叩いて攻撃に出ました。「叩くのはダメって言ったでしょ!止められないならここで遊ぶのも止めなさい。」と先生がピシャリとひと事。口をへの字に曲げていましたが、すぐにまたお友達と遊び出しました。やっぱりやんちゃな3~4歳児。先生の言うことを聞かないではしゃいだり、いたずらをする子はいます。でも注意されて先生を叩いたり、暴れだしたりする子というのをイギリスでまだ目にしたことがありませんでした。
他のナーサリーでも感じたことですが、例えば日本の幼稚園は「先生は子供たちと友達」で、このような遊び時間があれば、先生は子供と一緒になって遊んでくれます。いつも子供と同じ目線に立ち、一緒に遊んで一緒に楽しむ。これはこれで子供の気持ちを理解してくれるし、だからこそ子供はきっと自分の気持ちを先生に打ち明けることができて、とても良いことなのだと私は思います。
ところがイギリスでは先生と子供との上下関係が非常に明確。先生は、先生、大人としての威厳があるので注意をすると子供はすぐにやめ、また子供たちも先生に対しての礼儀もこの幼少から身につけています。
イギリスの中でのほんのひと握りのケースしか目にしていないし、イギリスもやはり日本同様、教育現場の問題を抱えているので、どちらが理想的だのという断定は決してできません。ただこれだけ学校で先生という立場が確立されていて、先生の注意に子供が従い、目上を敬う姿勢が幼少の頃から身についているのであれば、日本の公立小学校で起こっている深刻な学級崩壊問題を避けられることができるのではないか、と思ってしまいました。
次のページでは実際の授業風景をご紹介します
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