高級リゾートホテルでは、日本人スタッフの需要は高い |
サービス業の中でも就職先として特に人気の高いのが、トラベル&ホテル業界です。年間約1700万人の日本人が海外旅行をしている昨今、世界各国の旅行会社やホテルでは、日本人のサービスマンの需要は十分あります。海外で働く機会も多く、お客様に喜ばれる仕事として、やりがいも大きい。お客様を満足させるホスピタリティとは? そして、どんな人材が求められているのか? 現役のプロの方にお話しを伺ってみましたので、夢の実現へ向けて一歩踏み出してみては?
外資系ホテルラッシュで、チャンスは多いにあり!
日本の一流ホテルといえば、帝国、ニューオータニ、オークラは誰もが知るところ。しかし、最近は、パークハイアット、ウェスティン、フォーシーズンズなどの外資系ホテルが人気。さらに、2007年までには、コンラッド、マンダリン・オリエンタル、ザ・ペニンシュラといった超高級ホテルがオープンする予定で、熾烈なサバイバル競争が繰り広げられることも予想されます。
「今、日本のホテルはリストラを終えて、内装を新しくするなど、対抗策をとっているところです。と同時に、これからは新しいタイプのホテルマンが必要になるでしょう」と話すのは、フィジーのマナアイランドリゾートで総支配人を務め、旅行会社を経営する石川達也さん。競争は激しいが、ホテルマンの需要は十分にあると言います。
また、国内だけでなく、海外にもチャンスはあると石川さんは言います。「約1700万人の日本人が海外に行ってるわけですから、受け入れるホテルでは日本人のことを理解しているスタッフも必要なんです。例えば、チェックインをサポートしたり、通訳したり、日本人観光客向けの営業を行うこともあるでしょう。語学力とスキルがあれば仕事はかなりあります」。
これから求められるのはカスタマー・ディライト
日本人観光客に人気の高いハワイ |
競争が激しくなる今後は、より高いレベルのサービスが求められます。そんな状況でこれから旅行業・ホテル業を目指すには、ますますホスピタリティの勉強が必要になります
「日本人はパフォーマンスでお客様を感動させるのは世界一ヘタでしょうね。レストランでもホテルでも、海外では気の利いた会話ができる人がいて、ワクワクすることが多い。でも、日本のホテルマンはシャイだったり、組織の中にいて協調性が邪魔をしたり、特別なことがしづらい。行き届いた掃除とか、サービスの細やかさでは日本人が世界一だと思うんですけどね」
そして、これからのホテルに大切なのは、カスタマー・サティスファクション(お客様の満足度)ではなく、カスタマー・ディライト(お客様の感動)だと石川さん。
「例えば、レストランで、誕生日の人がいないか聞いてケーキをプレゼントするというのは、カスタマー・サティスファクションなんです。カスタマー・ディライトは、お客様が言わなくても気をきかせてサービスを行う。結婚記念日でいらしたお客様だと気づいたら花を用意するとか。“こんなことをしてもらうつもりじゃなかったけど、うれしい”というふうに、日常の中で感動や喜びを与えることが求められているんです」
設備や機能だけで客が来る時代ではなくなった今、旅行に非日常を期待してくるお客様に対して、いかに非日常のわくわくする演出をできるか、そんな人材が重要視されてくるのでしょう。
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