30代からの留学、3つの基本
■目的を明確に
「留学した」ということだけで評価される時代は終わっている |
言葉はあくまで手段であって、最終目的ではないはず。語学レベルの目標を設定するのは大事なことですが、語学力を使って何がしたいのか、その先の目的をしっかり見据えたプランニングが重要です。
現実として、「今さら語学留学?」「30代の留学なんて意味あるの?」というシビアな意見が出ることは必至。多くの企業が、「英語くらいできて当たり前」と考えていることは頭に入れておくべきでしょう。「本人のため」と信じて反対する周囲の声に立ち向かうのは、簡単なことではありません。
でも、とここであえて言いたいのは、留学目的は他人や世間の評価ではなく、本人が価値あるものと思えるかどうかが重要ということ。そもそも30代以降で留学する人の多くは、「好きなこと、やりたいことをやるのは今」という思いを抱いて留学しています。以前、「就業10年以上が2割!社会人留学」でも取り上げましたが、留学を終えた後に転職を考えている人の中には、現実的な予想年収をマイナスと予測する人も少なからず存在します。
巷では、キャリアアップという側面ばかりが強調されていますが、将来のキャリアに役立てる留学だけでなく、人生を豊かにする留学というのも大アリ。「こうなりたい!」「これをマスターしたい!」という目的が明確にあるなら、協力してくれる周りの人たちとも、その思いを共有しておきましょう。「何を手に入れるか」がはっきりすれば、目的実現への努力を惜しまないことです。
■留学資金はヨユウを持って
「とりあえずこれだけ用意して、あとは現地に行ってから何とか」というのはNG。滞在期間分の費用をきちんと見積もり、最低必要な金額+αをあらかじめ用意しましょう。現地に行ってしまえば、基本的にお金は出ていく一方なのです。
足りない分は現地で働けばいい、と思っても、外国人が仕事を得るためにはどの国でも就業許可のあるビザが必須。中には、オーストラリアのように一定の条件の下、学生ビザで働ける国もありますが、留学生のアルバイト代というのは、不当といっていいくらい安いもの。「海外で働く経験も」と考えるなら、仕事探しに挑戦するのもいいでしょうが、留学を目的として渡航する場合は、入ってくるお金はゼロという前提で予算をたてるのが賢明です。
現実的には、「学生」のステイタスで自分のスキルを活かせる仕事にありつけることは、よっぽど運がよくない限り、ありえないことです。お金を稼ぐことは、日本でやっちゃいましょう。