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海外でやりたかったコレを実現!インタビュー(10) 奨学金を得てウィーンに研究留学(3ページ目)

ダメモトで応募……という奨学金を見事手に入れ、ウィーン大学に長期留学した細野裕子さんのインタビュー。各国の留学生と友情を育んだ寮生活のエピソードほか、海外生活のヒントもたっぷり。

執筆者:南田 登喜子

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―― 寮生活はいかがでした?

文部省の奨学金を受けている留学生用の学生寮だったので、世界各国からきている留学生が50~60人住んでいてとてもインターナショナルでした。一番多かったのは中国、その次が東ヨーロッパの国々。ウズベキスタンとかウクライナ、リトアニア、ブータン、タンザニアなど、日本にいてはなかなかなじみのない国の人とも知り合えて、面白かったです。

学生寮
ウィーンの学生寮

各部屋にキッチンがあって自炊でしたが、みんなで食事をしたり、映画に行ったり、飲みに行ったり、時には寮でパーティをしたり。エジプト、トルコ、アイルランド、イギリス、タイ、ポーランド……と世界各国の料理が食べられて、非常に楽しかったです。

―― お部屋の設備はどうですか?

みんな個室なんですが、トイレ・バスを3~4人でシェアしていて、いろいろ不便があったのではないかと思います。わたしは、たまたま身体障害者用の部屋の空きがあったところに、1人部屋の希望を出したので、そこに入ることができ、運良くバス・トイレ・キッチン付の1人部屋だったんです。

ただ、寮の入り口のすぐそばの1号室だったため、新しく入寮してきた人は、みんなわたしが管理人だと思っちゃって……。「エレベーターが壊れた」とか、「洗濯機が動かない」とか、朝早くから夜遅くまで、いろんな苦情が寄せられました(笑)。そこから始まる友情もあったりして、それはそれで愉快でしたけど。日当たりが悪いのと、朝早く郵便屋さんに起こされる以外は満足でしたが、最後には郵便屋さんとも仲良くなったりして(笑)。

―― にぎやかで楽しい毎日をお過ごしになっていたんですね。

それでも、最初の1年はやはりずいぶんホームシックにかかったんです。日本の食べ物が恋しかったりして、親にずいぶん送ってもらっていました。そのうちに、タイとか韓国のもので似たような味のものを見つけたり、「どこの店では安くしょうゆが買える!」なんていうこともわかるようになって……。料理の好きな友達ができて、なんちゃって日本、みたいなものをいろいろと作ってもらったり、ないならないなりに何とかしていく術を学びました(笑)。

―― ホームシックが重症になって、もう帰ろうと思ったりしたことってありました?

ありました、ありましたよ! 実際それで一時帰国しました。留学して半年くらいのときです。

長期留学の場合は、あまり無理して自分を苦しめるよりは、お財布さえ許せば、いったん帰国してリフレッシュするのも一つの前向きな態度だと思います。現地での生活をエンジョイできなくなってしまえば、そこにいる意味がなくなってしまいますから…。

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