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海外でやりたかったコレを実現!インタビュー(10) 奨学金を得てウィーンに研究留学(4ページ目)

ダメモトで応募……という奨学金を見事手に入れ、ウィーン大学に長期留学した細野裕子さんのインタビュー。各国の留学生と友情を育んだ寮生活のエピソードほか、海外生活のヒントもたっぷり。

執筆者:南田 登喜子

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―― 長期留学される前に、海外生活のご経験はあったんですか?
ドイツの語学学校
ドイツの語学学校の友人と

ウィーンに行く前に、ドイツのサマーコースに1ヵ月通ったのですが、ここでドイツ語を学ぶいろいろな国の友達ができ、留学してからも訪ねていける先ができました。ウィーンは東欧への小旅行が簡単にできるのですが、クリスマスにポーランドに招待されたり、週末にチェコに招かれたりして、なかなかできない経験ができたと思います。留学して一番よかったと思うのは、こういう友達に恵まれたことですね。

長期留学する1年前にも、オーストリアの語学学校のサマーコースに1ヵ月半行きました。このときには、シェアフラットに1ヵ月半住みましたが、同居人とあまりうまくいかなかったんですよ。

―― 原因は、何だったと思われますか?

人にもよると思いますが、やはり家族でもなく、仲のいい友達でもない人と、上手に距離をとって、同居していくというのは難しいと感じました。

今思うと、「お互いに干渉しない」というスタイルに、わたしが慣れていなかったことが大きかったと思います。日本では見知らぬ人と一緒に住んだりする機会なんてほとんどないですよね。わたしにとっても初めての経験で、勝手に「仲良くなれたらいいな」なんて夢を膨らませすぎだったのかもしれません。「自分の普通」と「相手の普通」が違っていて、そのギャップにちょっと悩みました。

日本人にとっては、慣れてない人に優しくする、こちらから不便がないか聞いてあげる、といったことはごく当たり前のように思いますが、ヨーロッパでは必ずしもそうでないという気がしました。相手が聞いてこない=不便がないということ、というのが向こうの、少なくともそのときの同居人の考え方でした。もちろん人によるので、一般化はできませんが、日本のように「言わなくても伝わる」という態度は通用しないです。

「こんなこと言ったらまずいかな?」と初めはいろいろ気にしていたのですが、多分ヨーロッパの人にとっては、そういうことでストレスをためること自体が理解できないのではないかと思います。

―― 同じドイツ語圏のオーストリアとドイツで過ごされて、違いはお感じになりましたか?

すごく感じました。あまり知られていませんが、ドイツとオーストリアの違いは大きいです。まず、祝日の多さが違います! ドイツ人は勤勉で有名ですが、オーストリア人は基本的に怠け者(笑)。朝、目が覚めたら祝日で買い物にいけない、なんてことがしょっちゅうでした。

ことばもかなり違いますね。オーストリアと南ドイツは似ていますが、北ドイツとは挨拶からして違うので、気をつけるのが大変でした。ドイツで日本人がオーストリア訛りでドイツ語をしゃべったら、びっくりされますよね。東京でダニエル・カールに山形弁で道を聞かれるような感じだと思います。

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