こんな国際交流もある(5) 参加費お得!国際交流プログラム」で取り上げた内閣府主催の青年国際交流事業について、ユーザーのYさんから、こんなメールをいただきました。 平成16年度内閣府青年国際交流事業、第17回世界青年の船に参加してまいりました。出発前に世界青年の船について調べていたときに、ここに行き当たり参考にさせていただいたのを覚えています。43日間という期間でしたが、日本人青年120名、外国人青年140名、13ヵ国から集まった青年たちとの交流は、大変すばらしく、わたしにとっても生涯忘れることのできない思い出となり、たくさんの仲間を得ることができました。このような、事業が如何せん、世間に認知されていない現実があり、わたしたち17回参加青年も、一般に認知されるよう普及活動に力を入れています。

そうなんですよね。自己資金約20万円で、6週間余りの船旅をしながら、世界各国の若者と語り合い、たくさんの友達を作る――そんなめったにないチャンスを知らない人が多いのは、とっても残念な気がします。

そこで、今月は「世界青年の船」プログラムの詳細を徹底解剖!プログラムのガイド役を引き受けてくださったのは、第17回世界青年の船で日本のサブ・ナショナルリーダーを務めた村本由香さんです。参加したことがない人が抱く「ソボクな疑問」にお答えいただきつつ、政府のおカタい募集要綱だけではうまく伝わってこない実態や魅力にせまってみましょう。村本さんには、別途「海外でやりたかったコレを実現!インタビュー(12)  世界10数ヵ国の仲間と船上生活」で、個人的な体験も語っていただきました。

日本、オセアニア、中近東、アフリカ、ヨーロッパ、北米、南米地域など13ヵ国の青年が、船内で共同生活し、共通課題の研究・討論、各国事情の紹介、クラブ活動、スポーツ、レクリエーションなどの各種交流活動を行いながら、オーストラリア、フィジー、ニュージーランドを訪問。訪問先では、その国の青年との交流活動や、関連施設の見学などを行いました。日程や訪問国は変わりますが、プログラムは毎年実施され、参加者は一般募集されています。
 
<第17回世界青年の船概要>

日本、オセアニア、中近東、アフリカ、ヨーロッパ、北米、南米地域など13ヵ国の青年が、船内で共同生活し、共通課題の研究・討論、各国事情の紹介、クラブ活動、スポーツ、レクリエーションなどの各種交流活動を行いながら、オーストラリア、フィジー、ニュージーランドを訪問。訪問先では、その国の青年との交流活動や、関連施設の見学などを行いました。日程や訪問国は変わりますが、プログラムは毎年実施され、参加者は一般募集されています。

派遣時期: 平成17年1月19日~3月2日
期間: 43日間
訪問国: オーストラリア、フィジー諸島共和国、ニュージーランド
参加人数: 日本を含む13ヵ国約260人
個人負担経費: 約20万円
 

ソボクな疑問1: 社会人は仕事どうするの?

寄港地オーストラリア
 
「日本では、6週間の休暇をもらえる一般企業や勤務先はほとんどないので、正直なところ、このプログラムに参加する社会人は、仕事を辞めて乗船する人が多いです。中には稀に、勤務先の了解を得て研修や休職扱いで参加し、元の職場に戻ることのできる恵まれたケースもあります」



 

ソボクな疑問2: ということは、学生の参加者が中心?

「学生と社会人のバランスは半々くらい。特に女性の社会人は退職しての参加だったり、資格試験勉強中だったり、JICA(国際協力機構)に参加経験がある人だったり、さまざまなバックグラウンドをもった人がいます」
 

ソボクな疑問3: 留学生同様、女性が多い? 年齢層は?

「参加年によって異なりますが、日本人の参加者は70~80%が女性。外国人は、国によって異なりますが、全体的には半々という感じです。年齢は18~30歳まで幅広く、バランスよくいます。参加国によっては若い人が多いという傾向もありますが」
 

ソボクな疑問4: 滞在する「にっぽん丸」ってどんな船?

にっぽん丸
見よ、これがにっぽん丸!
「直前研修を除いて、すべて「にっぽん丸」での滞在になります。にっぽん丸は、商船三井の客船で、とっても豪華。参加青年は、男女別に3人で1つのキャビンを共有し、リーダーは個室です。シアターやホール、ピアノラウンジやバー、プールなどもあり、参加者が船のあらゆるところで思い出、友情を作ることができる環境にありますね。船という環境は、広いとはいっても大海に出てしまえば、限られた空間ですし、プライベートがあるような、ないような環境のため、参加者の中にはキャビンメイトとの生活でストレスを感じる場合もありますが、それを乗り越えることが、大きな成果のひとつとなると思います」
 

ソボクな疑問5: 船内活動って、具体的には何してるの?

「船内での1日のおおよそのスケジュールをご紹介しましょう。
Daily Schedule
07:30 起床モーニングコール 「ウェーク・アップ・コール」は、毎日担当グループが決まっていて、「朝の放送」をします。好きな曲を流したり、当日の予定をアナウンスしたり、グループで趣向を凝らして考えます。ちなみに、わたしは自分の好きな沖縄三線の生ライブをマイクで流しました。グループは、A~Mに分かれていて、船内の中でも毎朝の点呼や夕方のミーティングなどで一番多くの時間を過ごす仲間なので、家族のような関係になり、特に大切な存在になります。
07:45-08:30 朝食  
08:45-09:20 モーニングアッセンブリー ウェーク・アップ・コールと同じグループが担当し、ホールに全員集合。グループごとに点呼をとり、みんなの体調を確認します。各国の国旗掲揚や国歌斉唱があり、また、管理部からのアナウンスや、参加者からのお知らせなどもこの時間に行います。その後、担当グループが司会をして、身体を動かしたり、ちょっとしたゲームをしたり、とアクティビティも。わたしのグループは、フィジーに着く前に担当だった日に、現地のあいさつの言葉を紹介したりしました。
09:30-10:45
11:00-12:15
午前プログラム(1)
午前プログラム(2)
ディスカッション
主な活動としては、ディスカッションやナショナルプレゼンテーション、クラブ活動、グループ活動、スポーツ&レクリエーションなどがあります。そのほか、公式写真撮影や半日フリータイム、前半にはにっぽん丸ツアーなどがあり、毎日が時間割のようにスケジュールされています。
12:30-14:00 昼食 (13:30-14:00 ナショナルリーダー会議)
14:15-15:30
15:45-17:00
午後プログラム(1)
午後プログラム(2)
綱引き
午前プログラムと同様
17:10-17:30 アシスタント・グループ・リーダーズ・ミーティング 各グループに、アシスタント・グループ・リーダーがいて、毎日ミーティングを行い、管理部からのお知らせを受け取ります。その後、グループでその情報を共有し、時間に余裕があるときは、グループ内の交流を深めます。
17:40-18:00 グループミーティング
18:00-19:30 夕食  
20:00-21:00 夜プログラム(オプション) 午前プログラムと同様
21:00-23:00 フリータイム  
23:00- ナイトパトロール 形式的には、23時就寝となっているため、当日の担当グループが管理部スタッフと一緒に船内の見回りをします……が、20代の若者が集まって夜11時に就寝するはずはなく、実際には、フリータイムから引き続きラウンジで語り合ったり、パーティーがあったり、と夜は果てしなく続きます。
公式活動時間以外にも、各自が主催するさまざまな「自主活動」が開催され、各国主催のパーティーのような遊びから、書道や語学勉強会のような文化的なもの、平和セミナー、中東問題セミナーといった真剣なトピックなど実にさまざまな活動が繰り広げられました。公式プログラムでの活動はもちろん、このような自主活動での活動がさらに参加者同士の交流を深め、さまざまな出逢いや発見があるのです」
 

ソボクな疑問6: プログラムのこと、もう少し具体的に教えて!

「主要なプログラムをご紹介しますね。

【ディスカッション】
今回新規に導入された船内活動プログラム中のメインのプログラムで、全体での導入フォーラムでは、「青年の社会活動」をテーマに各国代表者によるプレゼンテーションがありました。その後、6つのコース(教育、環境、情報&メディア、国連、異文化理解、経済)の中から各自1つずつ選択したテーマに沿ったディスカッションやワークショップなどをアドバイザーとファシリテータの指導のもとに行います。オーストラリアでの寄港地活動は、コース別の訪問活動となりました。わたし自身は、情報&メディアコースを選択し、オーストラリアで訪れたテレビ局の見学が印象に残っています。最後のまとめとして、全体で総括的な発表を行い、各コースで学んだ内容をほかのコースの人と共有しました。

 
よさこい
日本人はよさこい踊りを披露
【ナショナルプレゼンテーション】
40分~60分の持ち時間で、国ごとに文化紹介を行うもの。事前に準備をして、船内でリハーサルを行い、伝統的なダンスや音楽、ビデオ、スライドなどを使って華やかに演出します。社会事情などを寸劇のように発表する国もありました。まるで各国の旅に行ったような気分にさせられます。日本は120人全員で、よさこい踊りや沖縄のエイサー、和太鼓など各地域の伝統的な祭りや現代の若者文化などを交えて、七五三や学校制度の紹介、成人式や就職事情などの発表を行いました。

 
クラブ活動

アフリカンダンスクラブ

【クラブ活動】
日本文化紹介クラブ(折り紙、書道、日本の歌など)、武道クラブ、アフリカンダンスクラブ、サルサクラブなどがあり、お互いに教えたり習ったりする中で、新しい文化に触れたり、また自国の文化での発見があったりすることも多くあります。また、最後に行われる発表会に向けて、チームワークの大変さや楽しさを感じながら、クラブごとに練習を積み重ねていきます。

【グループ活動】
グループに分かれて、メンバーの交流を深めるための活動を行います。具体的には、グループTシャツを作ったり、写真を見せ合いながら自己紹介をしたり、各国のダンスや歌を習ったり、ゲームをしたり。各グループは、日本人が約10名、外国人が約10名。日本人を除いて、同じ国の人は重ならないようになっています。つまり、日本人以外は、すべて違う国の人が集まって1つのグループになります。

【スポーツ&レクリエーション】
スポーツ&レクリエーション時間は2回あり、委員を中心に、グループ対抗のゲームやクイズなどを行いました」
 

ソボクな疑問7: トラブルや苦労ってないの?

「世界青年の船」参加者
日本を含む13ヵ国から参加。共通語はもちろん英語!
「ここでは、参加者全員に関わりのあるコミュニケーション、体調管理、団体行動と時間について、お話しますね。

(1)コミュニケーション 日本人にとっての一番の苦労の1つとして、やはり言葉(英語)の問題があると思います。中には英語があまり得意ではない参加者もいますし、得意な人でさえも、ネイティブの英語やネイティブ以外の癖のある英語を聞き取るのに苦労します。それでも、積極的に話しかけて、「友達になりたい!」という気持ちがあれば、次第に慣れていきます。最初は、分からないことを「分からない」と伝えることが難しかったり、自分の言いたいことを伝えることができずにもどかしく思ったりすることも、必ず1度は誰もが経験することでしょう。

(2)体調管理
船内は乾燥していて、また大勢での共同生活のため、喉を痛める人が多かったです。また、毎日寝る時間ももったいないと思うくらい、多くの活動があるので、無理をしすぎると体調をこわすこともあります。船酔いについては、個人差がありますね。船内には、看護師も乗船していますし、クリニックに薬なども完備されているので、基本的なことには対応してもらえます。体調を崩すとせっかくの楽しい活動にも参加できなくなるので、無理をせず早めに休むことが大切です。

(3)団体行動と時間 すべての活動において団体行動となるため、時間厳守が徹底される必要があるのですが、時間の感覚は各国や個人によって差があるため、その重要性を認識することが難しい人もいました。これは、事前の各国ナショナルリーダー会議でも充分に討議され、船内の会議でも常に意識されていました」

いかがでしょうか?「海外でやりたかったコレを実現インタビュー(12) 世界10数ヵ国の仲間と船上生活」では、個人的な体験をインタビューしてますので、こちらもぜひご覧くださいね。 プログラムを詳しく知りたい、次回参加してみたいと思った人は、2005年6月12日(日)に国連大学で開催される第17回「世界青年の船」事業帰国報告会に出かけてみてはいかがでしょうか。村本さんからは、「活動の内容を、展示や発表形式で伝える約3時間のプログラムです。無料ですので、ぜひ多くの方にいらしてほしいです」というメッセージをいただきました。

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