中国のお正月は新暦よりも旧暦重視
中国のお正月は、新暦の1月1日、いわゆる元旦よりも、旧暦の1月1日「春節」のほうが盛大にお祝されています。新暦の1月1日も、中国ではちゃんと祝祭日として扱われていますが休暇は1日のみ、春節は3日の休暇となっているところからも、春節が重視されていることがわかります。
中国人にとっては、春節こそがお正月、新年の訪れなのです。新暦を基に考えると、中国のお正月は毎年違うタイミングで訪れることになります。
■中国のお正月「春節」っていつのこと?
日本人の感覚では「毎年春節の日付が違うなんて頭ゴチャゴチャにならないのかな?」と心配になりますね。けれど、心配ご無用。
中国のカレンダーには必ず旧暦も併記されています。そのため、中国人は生活の中で常に新暦と旧暦、両方を意識して生活しています。そして、両方を意識して生活しているからこそ気になる重大問題があるのです。
中国で聞かれる「春がない!」という言葉の意味
中国では「今年は春がない」と言われる年があります。
「春がない」とはどういうことでしょう?
これは「春節」が新暦の中でどの位置に来るかで決まるのです。
新暦2月4日は、日本の我々にもおなじみの「立春」です。
「立春」は春の訪れ。日本では、立春の前日を季節の変わり目ととらえ、「節分」として厄払いをしますね。
■「節分」は中国で通じる?
一見同じように見える春節の盛り上がりにも、微妙な差があるかも…?画像:Fromアジアン雑貨 偏西風 |
中国には節分の習慣はありませんが、やはり「立春」を春の訪れとして意識しています。そのため、1年の始まりである「春節」よりも、「立春」が先に来てしまうと「今年は春がない!」という気分になってしまうのです。
ちなみに2008年の春節は新暦の2月7日。立春の後に春節が来ますから「春がない…」と中国人がガッカリしてしまう年です。
前年の2007年の春節は2月18日。やはり立春の後なので「春がない…」となるのですが、ちょっと待ってください。2年連続で立春を避けることは不可能ですよね?旧暦2007年度の大晦日は2月6日…、ということで年の初めには春は来ていませんでしたが、2007年度中にちゃんと春が来てくれていたということになります。
(とはいえ、年の初めに春が来なければ意味がない…と考える人もいます)
それならば、と、また2008年の「春」を探してみましょう。2008年2月7日から始まった旧暦2008年度。旧暦12月30日は…新暦の2009年1月25日。なんと、こちらも「立春」よりも前の日です。
旧暦2008年度は、ちょうど立春を避ける形で1年がめぐってしまいますので、正真正銘「春がない」ということになってしまいます。
「春がない」と何が問題なのでしょう?