バスク地方を巡るモデルコース
バスク地方の中心都市バイヨンヌの街並み
フランスの国境シリーズ、今回は南へ下り、スペインとの国境バスク地方をご紹介します。チョコレートや生ハムの名産地としても有名で、スイーツや魚介も楽しめる食の文化も豊富なフランスの地方は、あえてじっくりと時間をかけ、のんびりと訪れるのがオススメです。
パリ・モンパルナス駅から5時間、バイヨンヌへ
バイヨンヌのメインストリート、ポール・ヌフ通り
まずはパリ・モンパルナス駅からTGVで約5時間、のんびりとした空気が流れるバスク地方の中心都市バイヨンヌへ。バスク地方とは、フランス国内での正式な地方の区切りではなく、スペインとフランスの国境の地域を総称する名称となっています。
この地方の有名な名産品は何と言っても生ハム。生産過程が見学できる専門店があったり、市場で丸ごと売られていたりと生ハム好きにはたまりません。それからピペラードと呼ばれるピーマンもこの地方の名物。そして忘れてはならないのがチョコレートです。街にはたくさんのショコラティエが集まっています。
バスク風味付けが美味しい魚介のマルミット
バイヨンヌは街の中心を南北にニーヴ川が流れている小さな町。面白いのは、町中のレストランで人がいるところといないところがはっきりと分かれているのです。特にバスク博物館のニーヴ川を挟んで向かいにある川沿いにはレストランが集まっていて、どこも混んでいます。中でも写真の魚介トマト煮込みが人気の「ビストロ・ドゥ・ラ・ニーヴ」は地元のお客さんにも人気のレストラン。至ってシンプルな料理が多く、バスク料理を味わうにはオススメのお店です。
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■Bistrot de la Nive(閉店)
- 所在地:7 quai AM. Dubourdieu 64100 Bayonne
- Tel:05 59 59 24 63
- 昼のメニュー 前菜+メイン+デザートで11ユーロ(約1800円)
カカオの濃度や風味によりカラフルに色分けされた名物の板チョコ
バスク地方はフランスチョコレート発祥の地。メインストリートであるポール・ヌフ通りでは、たくさんのショコラティエが集まっています。中でも地元の人からも愛されている老舗のカズナーヴは泡立てホットココアが有名ですので訪れた際には是非お試しを。
カズナーヴと並んで有名なダラナーズも、品質の高いチョコレートが揃う名店です。板チョコは4ユーロ前後、粒チョコは5つで3ユーロ代と多少お高めですが、味は確か。高級感あふれる店内や、センスの良いイラストの入ったパッケージなど、お土産にも喜ばれそうな演出はさすがです。
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Cazenave
- 所在地:19, Rue Port Neuf 64100 BAYONNE
- Tel:05 59 59 03 16
- 火~土曜日の9:15~12:00、14:00~19:00
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Daranatz
- 所在地:15 Arceaux Port Neuf 64100 Bayonne
- Tel:05 59 59 03 55
- 火~土曜日の10:00~19:00
海辺の町、サン・ジャン・ド・リュズ
静かな海が心地よいサン・ジャン・ド・リュズ
サン・ジャン・ド・リュズはバイヨンヌから電車で20分ほどで行ける海辺の町。高級リゾート地ビアリッツからも電車で10分ほどですが、こちらはガラリと雰囲気が変わりとても庶民的です。海沿いには舗装された道が続いていて、サイクリングやジョギングをしたり、ただ歩くだけでも心地よく、絶好の散歩コースとなっています。
白壁、色とりどりの窓枠、オレンジの屋根がバスク風
サン・ジャン・ド・リュズの町はバイヨンヌよりさらにのんびりとしていて、程よく観光客向けになっています。白い壁にエンジや深緑の窓枠、そしてオレンジの屋根の建物が並んでいます。東西に走るメインストリートのガンベッタ通りにお店が並んでいて、ショッピングの中心となっています。
裏道にも味のあるお店が点在
海辺に続く道が何本も通っているこの町では、このようなメインストリートから1本入った道はとても静か。かといって決して暗い雰囲気ではなく、地元の人の住まいや小さなお店がぽつぽつあったりするのがまた良いのです。
バスク地方の名産品の一つ、マルチボーダーのファブリック
サン・ジャン・ド・リュズの街中には、こういったカラフルなバスク・ファブリックのお店がたくさんあり、どこもセンスが良く洗練されています。特に町の中心ルイ14世広場に面したブティック「メゾン・シャルル・ラール」は、テーブルクロスやタオル、バッグやポーチ、エスパドリーユまで幅広いアイテムが揃う人気店です。
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■Maison Charles Larre(閉店)
所在地:49, rue Gambetta 64500 St Jean de Luz
Tel:05 59 26 02 13
バスク地方の名産品を買う事ができる小さな専門店。午後はシエスタでお休みとスペイン・システムなので要注意
メインストリートのガンベッタ通りでは、食関係のお店も多く、こういった地元らしい専門店には人気が集中します。生ハムの他、バスク名物のピーマン「ピペラード」を使ったソースやフォア・グラを買い求める地元のお客さんで店内は一杯になっていました。
乙女心をくすぐる可愛い雰囲気のサロン・ド・テ
ガンベッタ通りにあった可愛らしいサロン・ド・テ。広めのテラスは、のんびりとお茶タイムに最適です。
シンプルな色と形のマカロンもこの町の名物の一つ
白いメレンゲ生地に薄く焼き色が挿したこのシンプルなマカロンも、この町の名物です。割った時に現れるモチモチとした食感と練り込まれたアーモンドが香り高く、マカロン・パリジャンとはまた違い素朴ながらも濃厚な味。スイーツ好きは是非お試しを。
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Maison Adam
- 所在地: 6 rue de la Republique 64500 St Jean de Luz
- Tel:05 59 26 03 54
タルト(キッシュ)もバスクならではの味
ガンベッタ通りにあるパン屋では、バスク地方ならではの味のタルトが揃っていました。手前のトマトとにんにくたっぷりのタルト・バスクは野菜の甘みが詰まった逸品。生ハムやサラミ入りのサンドイッチなどもあるので、小腹が空いたときの軽食に。温めてもらって店内で食べることも可能です。
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■Patissier Etchebaster
- 所在地: 42, rue Gambetta 64500 St Jean de Luz
- Tel:05 59 26 00 80
バスクのおすすめホテル
馬小屋を改装した、ル・ボーマノワール
今回バスク地方で泊まったホテルは、ル・ボーマノワール。ビアリッツの中心から約2km、バスで10分以内。小高い丘の上にそびえ立つこちらは2つのスイートを含め全8室と、ホテルというよりはゲストハウスといった感じの暖かさがあります。建物に入ってすぐのサロンはリュクスなのにリラックスできる居心地の良さ。敷地内にはぶどう畑や25mのプールもあり、快適な滞在を約束してくれます。
落ち着きのあるデザインのインテリアが心地よい
モノトーンで統一されたスタイリッシュで落ち着いた寝室は、家具の細部までこだわりを感じる完璧な空間。緑で囲まれた環境を生かした室内からの見晴らしも素晴らしく、木漏れ日が差し込む朝は、快適そのもの。忘れられない旅の思い出となるホテルであること間違いなしです。
広々としたバスルームはゆっくりと星空を眺めながら
こちらのホテルのもう一つの見所といえば、広々としたバスルーム。大きな円形の浴槽にゆったりと浸かりながら、天窓から空を眺められるとは、この上ない贅沢な時間。ブルガリのバスグッズ、バスローブも常備しており、心ゆくまでリュクスなバスタイムを楽しむ事ができます。
フルーツたっぷりのヘルシーな朝食
朝食は、長い長い大理石のテーブルとシャンデリア、ガラス張りの空間が貴族のお屋敷を思わせる食堂にて。ヴィエノワズリーやバゲットなど種類豊富なパンは、ハム、チーズ、サーモンの盛り合わせとともに頂きます。たっぷりのフルーツとフロマージュブランのデザートでお腹は大満足です。
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Le Beaumanoir
- 所在地:21, Avenue de Tamames 64200 Biarritz
ビアリッツもしくはバイヨンヌよりバス14の「Tamames」下車、徒歩30秒
■バイヨンヌ~ビアリッツ間はバスが便利
■ビアリッツ~サン・ジャン・ド・リュズ間の交通はsncfの電車が便利(約15分、3.4ユーロ)
■TGVや周遊パスは日本語で予約できるレイルヨーロッパで
【参考サイト】