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晩年の藤田嗣治を追い、ランスへ(2ページ目)

パリ郊外、藤田嗣治のアトリエで出会ったあのすばらしいフレスコ画はシャペル・フジタ教会の為のもの。じゃあ、この目で彼の画業の集大成を見てみましょ、ってことでやって来ました、シャンパーニュの中心ランス。

執筆者:赤木 滋生

大きな広場の外周はロータリーになっており、東にさらに400メートルほど行けばシャペル・フジタがあるはずなんだけれど、例によって一方通行だらけになっている教会前の道路は一筋縄では行かない。あちこちにLe Chapelle Fpoujitaの道標は目に入るものの、大きな工場の周りをぐるぐる回るばかりでどこにあるのかよく分からない。ナビは何度も目的地は右にあります、と繰り返すが3度目のナビのアナウンスでようやくすでに2回も教会の前をやり過ごしていたことに気づいた。それほど小さくて目立たない教会だ。目立たないが、改めてながめてみると、なるほど芸術家の築き上げた教会の美しいこと。!

シャペル・フジタはシャンパン工場の中


門を入ってすぐの駐車場には、昔ブドウを搾っていた木製のプレスがディスプレイされている。
ということは何度もぐるぐる回っていたこの工場がMUMMのシャンパンセラーか。教会の向かい、すぐそこに入り口が見えている。教会の門には入館案内が書いてあって、開館時間は午後2時からとなっており、見学は昼食を終えてからのことになりそうだ。お昼まではまだ時間もあるし、ひょっとしてこれも神のお導きではなかろうか。どちらかというと、のん兵衛の私を導く神はキリストよりもバッカスのようだ、せっかくなのでMUMMでシャンパンを一杯いってみることにしよう。


見学コースのレセプションにはF-1の表彰台でおなじみ巨大なマグナム瓶はじめ、さまざまな製品が並んでいる。
MUMMといってもご存じない向きも多いかもしれないが、F-1グランプリの表彰台で景気良くぶっかけあう大きなボトルのシャンパンこそこのMUMM。私がF-1レーサーならそんなもったいないことなんて到底許せないほどうまくて良質のシャンパンだ。オンシーズンのこの時期なら試飲付きの有料ツアーでカーヴを見てからシャンパンを試飲できるはずだ。町で一杯やる値段で見学できて、もちろん格安でうまいシャンパンが手に入るんだから見逃す手はない。
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