フランス/フランスのおすすめエリア

エヴィアン!レマン湖いで湯の旅(2)(3ページ目)

フランスの水といえば、エヴィアン!そしてアルプスの湖水リゾートといえば、エヴィアン・レ・バン。華やかな別荘。ラグジュアリーなホテル、カジノにゴルフ。1ランク上のリゾートがあなたを待っています。

執筆者:赤木 滋生

エヴィアン・レ・バンの公衆トイレは流す水だってエヴィアン水。上の泉の水を飲めば、その味は惑うことなき天然ミネラルウォーター。
エヴィアンといえば飲むだけじゃなくて、女性がスプレーに入れてお肌の潤いを保つためにしゅっしゅっと吹きかけたり、基礎化粧品の原料になったりと薬効まで信じられてるんだよね。あの過酷な自転車レース、ツール・ド・フランスの超ハードな上り坂の頂上間際に観客たちがふらふらになりながら登ってゆく選手にふりかけたりもしてるんだからね。ポリタンを用意しておくべきだったかな。

カシャのポンプ場はエヴィアン水博物館でもある。入口ドームのガラス張り天窓がみごとにベルエポック。
元はといえば、オーベルニュ地方のお殿様がこのエヴィアンを訪れた時に聖カトリーヌの泉から湧き出る水を飲んでみたところ、以前から悩まされ続けていた持病の腎臓と肝臓がみるみる良くなっていったんだそうだ。そこですっかりその薬効が評判になり、奇跡の泉と名づけられたんだって。その泉の持ち主だったカシャさんがこりゃ商売になると周りを囲ってしまい、ビンに詰めて売り出したのがここの源泉の一つ、カシャの泉ってわけか。狭い路地の突き当たりに、あったあった、アーチ天井に明るいガラス張りはいかにも世紀末のたたずまい、今はエヴィアン水博物館になったカシャのポンプ場だ。カシャの泉はこの奥だね。しかも入場無料か。

これが伝説のエヴィアン源泉、カシャの泉。
なにしろエヴィアンといえばフランスのミネラルウォーターでもトップクラスの稼ぎ頭だけにけちくさいことは言わないんだね、源泉といえどもバルブもつけずに、24時間水はじゃあじゃあ出っぱなし。エヴィアン市には水道局なんてないかもしれない。ひょっとすると洗車にまでミネラルウォーターかな?

小さな注ぎ口からあふれる水は無料。観光客だけでなく、地元の人々の生活水として訪れる人の絶えることがない。
フランスの薬学学士院がミネラルウォーターの認可をしたのは1878年。1902年には腎臓に薬効があることも公に証明されたんだそうだ。例のお殿様が患っていたのは腎臓結石。体内で作られる石ってのは多分石灰質が主成分。この石灰質ってのは水に溶けるけれど、フランスに多い硬水ではむしろ体の中に残ってしまう。エヴィアンはどちらかというと軟水だけれど、日本の水に比べるとむしろ硬いほうだから必ずしも石灰分が少なければよいというわけではないんだね。でもまあ事実溶けるんだから間違いないんだろう、石持ちの人はしっかり飲んでおきたいもんだね。
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