印象派以降の絵画に少しでも興味のある人が必ず訪れるパリの美術館オルセー。広い広い館内でもひときわ人だかりがしてるのがゴッホのコーナーです。なかでもうねる背景からじっとこちらを見据えるゴッホの瞳や、目にしみるような青いバックに浮かび上がるゆがむ教会の印象は強烈、すっかり頭の中にとりついてしまい離れません。よしっ、ここに行ってみよう!
INDEX
■オーヴェル・シュル・オワーズへ行こう
■いきなり目に飛び込んでくるあの教会
■村と麦畑をのぞむ兄弟の墓
■ラヴー亭での生活
■サン・レミに思いをはせる
■オーヴェル・シュル・オワーズお役立ち情報
■オーヴェル・シュル・オワーズへ行こう
ゴッホの絵から受けるあの強烈な印象はどこから来るのか。ほとばしる才能、それとも狂気のなせる業?脳裏に焼きついたゴッホのモチーフ、糸杉、ひまわり、麦畑、すべてがフランスのもの。でも実はフランスのイメージが強いゴッホが画家としてフランスで制作に励んだのはわずか2年少々なんです。
その間、パリのモンマルトルからアルル、サンレミ・ド・プロヴァンスと移り住み、そして終焉の地となった、あのノートルダム教会のあるオーヴェル・シュル・オワーズでの生活は70日にしか過ぎません。
安下宿屋の屋根裏部屋に投宿し、心の病の発作におびえつつ絵の制作に没頭する毎日を送ったオワーズ。この美しい村はもともと印象派の画家達が題材を求めて多く集まった絶好のモチーフではありましたが、ゴッホにとっては精神病の療養の地でもありました。
サン・レミの精神病院から紹介されたガシェ医師は、開業しているわけではなく、村の人々はごく普通にゴッホと接していたようで、なにかと人付き合いが苦手でトラブルの絶えない生活を送ってきた彼も、落ち着いた暮らしが送れるはずでしたが、その結末はピストルにより自らの命を絶つという、凡人には理解できないものとなってしまいました。
オーヴェル・シュル・オワーズは地図を見ると直線距離にしてパリからわずか30キロ。ゴッホの主治医は又アマチュア画家でもあり、当時多くの芸術家達が出入りした為、すっかりこの村は芸術家村となっていました。すぐ西にあるポントワーズにはピサロが住み、あのセザンヌはここオーベールで「ガシェ医師の家」や「首吊りの家」といった名作を残しています。
ポントワーズといえばパリからは目と鼻の先、高速道A15を目指します。クリシー大通りから外周道をくぐりすぐにクランク状に曲がればN315。標識に従って直進すればそのままA15になり20分足らずでもうポントワーズの入口。ここから高速をシャンティイ方面に行けばすぐなんですが、下に降りて美しいイル・ド・フランスの田園風景をオワース川沿いに楽しんでもあっという間にメリー・シュル・オワーズ、オーヴェルの南隣の村に着いてしまいます。
□オーヴェル・シュル・オワーズ近辺の住所
ツーリストオフィス
rue de la Sansonne 95430 Auvers-sur-Oise
Tel:33 (0)1 30 36 10 06
Fax:33 (0)1 34 48 08 47