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「出てお行き、王妃は私よっ!」の巻 美しい城館(シャトウ)と女の戦い(2ページ目)

貴婦人の城シュノンソー城からアネ城へ失意の帰郷。その美しい姿の中に秘められた絶世の美女ディアーヌとカトリーヌ・ド・メディシスのすさまじき女の戦いとは?

執筆者:赤木 滋生

さて、日ごろからディアーヌに嫉妬の炎を燃やし続けたカトリーヌ、この時とばかりに王子をフランソワ2世として即位させ、自らが摂政の座につき全権力を自分の物にしてしまいます。こうなると権力者の強み、「出てお行き、王妃は私よっ!」とばかりシュノンソー城からディアーヌを追い出し、自分の住むショモン城を与えようとします。しかし誇り高いディアーヌはショモン城には住まず、父の領地アネに帰ってしまいました。

■アネ城と傷心を癒した鹿狩り
ディアーヌが人生を終えたアネ城はパリの西約80キロ。ロワールの北の端にありイル・ド・フランスからは目と鼻の先、はるか地平線の見える広大な田園地帯の真ん中。狩と乗馬を愛したディアーヌにふさわしく、城門の上には鹿と4匹の猟犬が飾られ、広々とした庭園の向こうには大きな森が広がっています。

このアネ城は皮肉にもメディチ家の擁護で育てられ当事大流行したルネサンス様式によって飾られた優雅な城館で、イタリア製の大理石の家具調度や螺旋階段などがしつらえられたこった造りがすばらしく。窓から見える大きな池とよく手入れされた庭も一見の価値があります。

この子供時代を過ごした思い出の地でようやく平穏を得たディアーヌは城の裏手に広がる森での鹿狩りや乗馬で気を紛らしながらひっそりと余生を暮らし、7年後波乱に満ちた人生の最後を迎えました。

■シュノンソー城改修、そして・・・
一方、ディアーヌを追い出し権力も手に入れすっかり溜飲を下げたカトリーヌ・ド・メディシスはシュノンソー城からディアーヌの香りを消し去ろうと図ります。改築、内装や調度をすっかり変えてしまい城は現在の姿となりました。しかしこの美しい城を巡る女の戦いはまだまだ続きます。次回ブロワとシュノンソーを舞台に繰り広げられる「嫉妬と陰謀の嵐」をお楽しみに。

□シュノンソーに行くにはパリ、モンパルナス駅からSaint-Pierre-des-Corps(トゥール)までTGVで1時間。そこから電車に乗り換え30分弱でシュノンソーに着きます。車の場合はA10経由でパリから2時間少々。年中無休、朝9時から入館できます。
地図トゥール(Tours)のすぐ東南東になります。


□シュノンソーのホテルやレストランは
お城の出口付近に数件の小規模なレストランつきホテルがかたまっています。中でもBon Laboureurは落ち着いた庭の美しい居心地の良いホテル。ここのレストランは伝統的なフランス料理で有名です。夏にテラスでいただくのが最高。予算はワインともで50~80ユーロ程度。
37150 Chenonceaux 
Tel:02 47 23 90 02
Fax:02 47 23 82 01
オフシーズンの10月11日から12月15日、1月2日から2月10日までは休みですので注意が必要。クリスマス、正月は営業しています。

□アネ城に行くにはパリ、モンパルナス駅から約1時間10分でDreux。そこからはタクシーになります。車ならA13経由でパリから1時間ほど。
地図はこちら
11月から3月末までは土日祝日の午後2時から5時まで、4月から10月末までは午後2時半から6時半までの火曜日を除く毎日入館できます。

□アネのホテルやレストランは
レストランが村に2軒、小さなホテルが1軒。滞在するなら近くのシャルトルがおすすめです。
シャルトルとゴシック様式大聖堂

美しい城館(シャトウ)と女の戦い 2.
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