ある空き巣被害
コンピュータ関連会社・社員の青木貴俊さん(仮名・27歳)は、今のマンションに住みだしてから一度契約更新を経てもう3年以上も住んでいます。駅からほど近く、コンビニも近くにあり、山の手の下町風情の街の雰囲気も気に入っています。マンションは古くなってはきているものの、一応オートロックもあります。玄関ドアには錠前が二つあるワンドア・ツーロックです。カギは表面にたくさんのくぼみがある「ディンプルキー」と呼ばれるもので、防犯性が高いといわれており安心です。ある晩、青木さんは買い忘れたものがあったので、近くのコンビニまで出かけることにしました。会社から帰ったときにカギを開けてから、スーツのポケットにカギを入れており、ジーンズに着替えてサンダルを履いたときにカギが玄関にないことを思い出しました。手には出すつもりのゴミ袋も持っています。もう一度部屋に戻ってカギを持ってくるのが面倒になり、夜でもあり、建物はオートロックですから、(大丈夫だろう)と思い、つい、カギをかけずに出ることにしてしまいました。
ある空き巣被害 |
そして、あるはずのノート型パソコンがなくなっており、引き出しからは月末に支払う光熱費の分と自宅にいざというときのために置いてある現金数万円がなくなっていました。幸い、預金通帳と印鑑は残っていましたが、デジタルカメラと自慢の腕時計もなくなっていました。泥棒に入られたことは一目瞭然でした。
すぐさま「110番」に電話をかけて事情を告げました。10分もしないうちにパトカーが到着して、警察官らがやってきました。色々と事情を訊かれて、玄関ドアのカギをかけていなかったことを伝えようかどうしようか青木さんは迷いました。自分のせいだと思われるのがイヤだったのです。しかし、無理やりこじ開けられたのではないことはプロの目には分かるはず。被害に遭ったのだから嘘をつくこともないと、正直にカギをかけずに外出したことを伝えました。
「無締まり」による被害は4軒に1軒以上~警視庁HPより |
実は都内で4階建て以上の中高層住宅泥棒に入られた中で、26.3%(平成19年上半期警視庁発表。その他の統計は警視庁のこちらのページでご覧いただけます)つまり約4軒に1軒以上の割合で「無締まり」すなわちカギをかけていなかったことが原因だとのことでした。青木さんの被害はパソコンや現金などバカにならない金額でした。会社の資料で漏れると困るような機密事項はなかったものの、なによりもパソコンのデータを取り戻せないことが一番の痛手だったようです。
盗難被害届けを出し、一段落した部屋の中で青木さんは、(カギをかけなかったのは俺のせいだ。自分が招いた被害だ)と、自分を責めていました。(それというのも、玄関ドアのカギの調子がずっと悪かったからだ。クソッ。管理会社に早めにそう言っておけばよかった。しかし、勤めが忙しくてそれどころじゃなかったしな。カギさえちゃんと開け閉めできていたら、ちゃんとツーロックでカギをかけていたのに……)と、玄関の錠前をうらめしげに見る青木さんでした。
実は、青木さんが自宅の鍵をかけなかったのには理由がありました。誰にでも起こりがちな事態と、その対策法を次のページで!
→鍵をかけなかった理由/カギに潤滑油は厳禁!/
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