ピッキング・泥棒の対策/ピッキング・空き巣を防ぐ

泥棒を招いた女性宅の“甘い匂い”(2ページ目)

泥棒はどうやって侵入する家を決めているのでしょうか? 200件を越す空き巣狙いの犯行「常習累犯窃盗容疑」で捕まった男は、ある“器官”を使って、ある“感覚”でターゲットを選んでいました。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

五感・五官

人間には、「五感」と呼ばれるものがあります。「見る」「聞く」「嗅ぐ」「味わう」「触れる」の五つの感覚のことです。それは、「五官」すなわち「目」「耳」「鼻」「舌」「皮膚」の五つの器官によるものです。泥棒が侵入する家を決めるのに、「舌」で「味わう」ということは考えられないと思われますが、「目で見て、耳で聞いて、皮膚で触って」と、3つの器官と感覚を駆使していることは間違いないでしょう。

ところが、第四の器官と感覚を使った泥棒がいたことが判明しました。「まさかそんなことで!?」「そこまでやられたら、どうしようもないじゃない」と言いたくなるような「空き巣狙い」が、確実にひとり暮らしの女性ばかりを狙うことができたのは、ある器官と感覚の機能を活用したからだったのです。

200人もの女性が連続被害に

200人もの女性が連続被害に
200人もの女性が連続被害に
平成17年12月9日夜、川崎市のビルで無職女性(29)とアルバイト女性(30)の部屋に侵入して、現金計約3万円と腕時計など計約360万円相当を盗んだ疑いで、神奈川県警捜査三課は昨年末に、住所不定、無職の男(46)を逮捕しました。

平成17年2月から12月にかけて、神奈川県内の横浜市、川崎市などでひとり暮らしの女性ばかりを狙った空き巣被害が約200件発生していましたが、これらの事件も同じ男によるものとして、平成18年2月21日に同課は「常習累犯窃盗容疑」で追送検しました。被害総額は約6000万円にものぼります。単純計算で一軒当たり平均30万円相当の被害があったことになります。男は、「ブランド品や貴金属があるので、女性宅を狙った」と供述。

たしかに、女性はブランド品やアクセサリーなどの高額品を持っていることが多いようですから、同じ侵入するにしても、「獲物が大きい」ということで、特に選んでいたというのは、効率を考えてのことでしょう。「ひったくり」がバッグの中身の財布やお金だけでなく、換金性の高いブランドバッグそのものも狙うように、「同じ手間をかけるなら、実入りのいいほうを」という合理性、悪知恵があったようです。では、男は、なぜ「ブランド品や貴金属がある女性のひとり暮らしの家」を見抜くことができたのでしょうか? 答えは、次ページで!

=関連ガイド記事=
ブランドバッグが狙われる!

→選ばれた理由/対策は?/あなたの一票/関連ガイド記事 p.3
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