ピッキング・泥棒の対策/ピッキング・空き巣を防ぐ

屋外で寝ていたのと同じ夜… 泥棒さん、いらっしゃい(3ページ目)

酔っぱらって何とか自宅に帰り着いたはいいけれど…? お酒を飲んでいなくても、気をつけなくてはいけない基本中の基本です。カギはかけましょう♪

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

M本さんは、だんだん酔いの醒めてきた頭で考えました。酔って帰宅して、カギを開けたはいいが、カギをかけなかったのだ。実はそれは初めてではありませんでした。朝、出勤しようとしてドアを開けるときに、カギをかけていなかったことに気づいたのは以前に何度もあったのです。

あの女はたまたまそばを通りがかったか、実は近所に住んでいる女だかでオレがカギをかけなかったことに気づいたのだ。そして、こちらが寝込んでいることを知って(酔うとイビキがひどくなるんだオレ)、ちょいと財布でも失敬しようという魂胆だったのだろう。

危機一髪

なんてこった。女の泥棒かよ。そういえば、あの女、靴を履いたままで部屋に入っていたな。とんでもないヤツだ。「はぁ~」とM本さんは深いため息をつきました。「ごめんね、か」フッと鼻で笑って首を振りました。マイッタなぁ。

しかし、なんで、オレは起きなかったんだ? 声も出せなかった。あまりにもビックリしたからかなぁ。
 人間は、あまりにも驚愕したときは身動きもできず、声も出せないものなのです。その上、かなり酔っていたため判断力も鈍っていたのでしょう。

女だったからまだマシだった。あれが男であってもおかしくなかったんだ。いや、ヘタをすれば、こちらが気づいたことであわてた相手が刃物を振りかざして、オレを襲ってもおかしくなかったんだ。ゾッとして酔いが一気に醒めたようでした。



オレって!
オレって!
考えてみれば、オレがカギをかけ忘れたことが原因だ。酔っていたとはいえ、運が悪ければ殺されていたかも知れない。危なかった…。危機一髪じゃないか。酒は少し控えないとマズイな。M本さんは大きくため息をつきました。

いや、酒はまあいいとして、玄関のカギだけはかけないと。これからは気をつけよう。

さすがに恐ろしくなって反省したM本さんは、これからはカギだけはかけ忘れないように心に誓いました。何も被害はなかった…。警察に届けるったって、何も盗られたわけじゃないし。面倒だしな。おっと、もう会社に行く時間だ……。


届け出はすべき

M本さんは、結局、警察に届け出ませんでした。被害がなかったから、とのことですが、「住居不法侵入」であることは間違いありません。それに、「窃盗未遂」です。ドアノブや財布についた指紋や足跡。髪の毛の一本でも落ちているかもしれません。

面倒だからと、届け出ないという気持ちは分からないでもないですが、届け出るべきでしょう。侵入に慣れた常習の窃盗犯だったかもしれず、余罪があるかもしれないのです。


→カギをかけ忘れる人々/泥棒さん、いらっしゃい/カギは命を守るカギ
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます