1.ラグの重ね使いで床からの底冷えを防ぐ
お部屋のインテリアにあわせたベースとなるラグの上に、別の色を重ねていく、そんな楽しみも在ります。LINIE DESIGN/Kent カーキ 140×200※クリックで購入ページにジャンプ |
おおむね10月というのは、そんなどっちつかずな時季です。が、「足元がうすら寒いなぁ」という不快感、足元から忍び寄る冷えを甘く見てはいけません。風邪や婦人病を初めとした万病の元となります。
住まいがマンションなら躯体であるコンクリートが、日光による蓄熱よりも朝晩の低い気温による蓄冷の影響下に置かれる10月半ば頃を境に、階数を問わず急に冷えてくるように感じることでしょう。低層階(特に1階)ならもう少し早くその実感を得るかもしれません。
一戸建ての場合、2階以上はまだそれほど顕著には冷えを実感しない時季かもしれませんが、1階は日に日に冷え込みます。床下にどれほど断熱材を入れようと、しんしんと足元から這い上がってくる冷気は廃し難い。特に「床下収納庫」のある部屋、また通電していない「掘りごたつ」近辺が冷えるというのは、もっともでしょうが皮肉な事象です。
こんな足元、床からの冷え感を強化しているのが、昨今流行のフローリング、天然石などを使った比較的硬質な床材。
畳、ないしは(今や新築の住まいでは滅多にみられない)カーペット敷の部屋に比べて、これらの部屋がひときわ「冷える」のは、夏場であれば素晴らしいメリットでしたが秋冬にはすっかり反転して仇となるのです。
これらの部屋の床を“暖化”するもっとも手っ取り早い方法は、床に服を着せるが如く、あたたかなラグ(ラグ・マット:床に部分的に敷く敷物。ピース敷、中敷、部分敷ともいう。ちなみにカーペットとは敷物全般の総称)を敷いてしまうこと!
ラグは多くの場合インテリア装飾として選定・購入すると思われがちですが(実際に部屋の雰囲気を一転させる影響力があります)、純粋に“防寒”目的で選定・購入するとなると、その目線は随分と変わってくるのではないかと思います。
また、“防寒”という観点ではその「重ね敷き」を推奨します。
洋服の重ね着が防寒に有効であるのと同じ理屈です。
例えば、床に近い(冷気に近い)部分にはウール素材のキリム(トルコの毛織物)を敷き、肌触りが気になる(じかに床に座るような)部分には柔らかなコットンラグを重ねて敷けば、仮に子どもやペットがその上で粗相をしてしまっても、コットンラグだけ洗濯する事ができます(綿下着+毛の上着と同様ですね)。
敷物は、リビングや子ども部屋など以外、キッチン、洗面所といった「こんなところにも?」という場所で試してみると、意外な効果が実感できます。
ただし、ダニの発生が心配なお宅では、敷物のある部屋での「湿気(70%以上)+気温上昇(25度以上)」には、ご注意下さい。
2.窓からの寒気を防ぐカーテン・遮光ライニング(ライナー)
開口部が広いほどに熱損失は大きい。 |
特に、昨今の光を多く取り入れるがための広い開口部を擁する住まいほど、冷気の入り口も大きくなるのは、これまた皮肉な道理なのです。
二重窓やペアガラスの導入も、10年前より一般的になってきてはいますが、それでも全ての住まいに行き渡っているわけではありません。
となると、やはり後付けのウインドートリートメント(カーテンやブラインドなど、窓周りの調光や防寒のための装飾)でくふうを凝らすのが、早道といえるでしょう。
しかし、このウインドートリートメント全般の価格は、どうしてもかなり高価になりがちです。
理想を言えば、夏場と秋冬では、窓側のレースと部屋側のドレープ双方ともに取り替え、冬場は特に防寒の効果を大きく持たせたい。
それが可能であれば、なるべくインテリアの雰囲気とあわせながら重厚かつ、部屋の暖かな空気を逃さないヴォリュームのカーテンに交換しましょう。
なるべく広い面積で、窓のある壁面全体を覆うような(特に床はすれすれまで。つんつるてんでは冷気が漏れてしまうので)ウインドートリートメントは、いわば断熱材代わりともいえる効果をもたらします。
でも買い替えは容易ではない場合、既存のカーテンに「ライニング(ライナー)」を取り付けることで、厚みを増し、防寒効果を高めることができます。
ライニングの取り付けは簡単ですので、寒さや冷えの気になる部屋のカーテンで、ぜひ試して欲しいくふうです。
>>>次ページ>>>3.各部屋に常備、スローで体感温度UP!