夏の空もどこか秋の色。 |
そんな秋の気配と共に苦でなくなるのが、キッチンに立つこと。火を扱うしごと。
でも夏の疲れやだるさが残っていてイマイチ気分が乗らないな、というあなたに、おすすめしたいのが、気分一新!
キッチンでの活躍頻度がすこぶる高い「ふきん」を、リニューアルしてみること!
衛生管理にも料理にも幅広く使えて、目にも楽しい。頻繁な洗濯に耐えて、さらに美しい。
そんなふきん、奈良晒の老舗、中川政七商店の花ふきんを、今回はご紹介したいと思います。
蚊帳生地って何?
「花ふきん」だから楽しめること
蚊帳生地って何?いまはキッチンに立つのは女性に限りませんので一概には言えませんが、キッチンに立つ女性の多くは、キッチンで使う布小物にひとかたならぬ興味や愛着を感じているものではないかと思います。
そんな興味の一端は昨今のリネンブームにも現れ、使い込まれた味のあるアンティークのふきんを家庭で現役活用されている方も見受けますし、フランスのカフェやレストランでギャルソンが腕にかけているようなトルション(ナプキン、ふきんの意味)をごく普通に愛用されている垢抜けたお宅も知っています。
さてそんなおしゃれイメージから一転? 和モノ回帰の時代とはいえ、「蚊帳生地」って一体何? と首をひねられるかたが今回、多いのではないかと思います。私も最初は「?」でした。
そもそも「蚊帳(かや)」なんて、ガイド自身、30年ぐらい前に父親の生家(築150年)で従兄弟たちと雑魚寝したときに使って以来でほとんど目にしませんし、今でもアウトドア用に売っているのも化繊のものだったりして、どうもイメージしづらいところなのです。
蚊帳(かや。かちょう、ぶんちょうとも読む)とは字の通り、夏場寝るときに蚊を避けるため吊るされた帳(とばり。部屋同士を隔てる壁代わりの布)の意であり、個々の住まいに網戸やエアコンが設置され出すまで(おそらくアルミサッシの普及と同時期なのではないかと推察します)どの家にも当たり前にあったような道具でした。(余談ですが、ジブリ映画『となりのトトロ』にも登場しますね。ガイドの5歳の娘はいつもあの蚊帳を不思議そうに見ています。)
日本の蚊帳は多くが綿や麻といった吸湿性の高い素材でできており、「風が通らないんじゃないか」という疑問に反してその内部は湿度が調整されて寝苦しくないそうで、最近のエコロジーブームから蚊帳再見の動きがジワジワ見られているところでもあります。
そんな吸湿性がこの「花ふきん」の根底にはあります。
買いたてのふきんは糊が効いてパリっとしているのですが、一度水に通して洗えば、手触りくたくた。
乾けばほっこりした肌触りが意外なほどで、この感触が秋の気分になんとも慕わしいのでした。
う~ん、文字では触ってもらえないのがもどかしいくらいです!
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