「風通しが悪い部屋」に起こる問題点
子育て中の住まいほど、モノを少なく、風通しを良くしておきたいものですが……。 |
この言を受けて、建築家の天野 彰先生の提唱される“傘の家”という、日本古来の住まいの持つ美点を取り入れた住まいの在り方は、非常にわかりやすいですね。
“傘”の形状のイメージで住まいを捉えると、現代の多くの住まいが異様に「狭しく」「密閉」したものに思えます。ここでこの例えは変かもしれませんが、夏に洗い損ねた密閉容器の空お弁当箱。まさに「狭しく」「密閉」された空間の中にはびこるのは……やはり『カビ』に他なりません。
そして『カビ』は『ダニ』の餌になり、『ダニ』を捕食する『ゴキブリ』が殖え……というのが、まさに現代の住まいの“黄金の不快スパイラル”。
このスパイラルには『住まいの腐朽(耐震性を脅かす。シロアリ問題)』『アレルギー疾患(カビ、ダニ、ゴキブリ全てアレルゲン)』『見た目に不愉快』などの問題が絡まり、問題をより複雑怪奇化させていきます。
前件のようなカビ臭の寝室にはそうそう遭遇しない私たちですが(むしろ遭遇せずにありたい)、例えば古い図書館の奥のほう、あまり人気のない書棚の域に至ると、独特の匂いが「プーン」と漂ってくるのに気づく経験なら、もう少し頻繁に得ることが出来ると思われます。
(不思議とトイレを催してしまいたくなりますね。余談ですが……。)
あの、におい。あれもまた『カビ』のもたらすものです。
とはいえ、昨今新しく建ったような図書館では滅多に「あの、におい」に遭遇することはありませんね。でも新しい図書館には大きな開口部があって、風通しがよくヒュウヒュウ風が吹き抜ける……から、というワケでもないようです。
つまり空調による『(強制)換気』のシステムが効果的に働いているためでしょう。『換気』が行き届き、湿度を低く抑えられていることにより、『カビ』の繁殖する余地が無いのですね。
……と、いうところナドをヒントにしつつ、次ページで、具体的に『風通しの良い』暮らしを手に入れる方法をお話していきたいと思います。
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