「風通しの悪い部屋」の共通項
ふたりの寝室。いそがしさにかまけて『隠し部屋』化していませんか?寝苦しかったり、体調が悪かったりしていたら、ちょっと注意が必要です。 |
こう言うと実に当たり前に読めるのですが、そんな部屋を擁する住まいに暮らしている人には、あまりその「出入り」の頻度を意識されることが無いようなのです。
●ここは息子の部屋だから(引きこもり、までは行かなくても、子どもの自室というのは不可侵領域になってしまっている)
●用事が無ければ使わないから(納戸など収納に特化した部屋がある場合とくに)
●この部屋の窓から、以前空き巣が入ってきたことがあって、怖いから(“雨戸閉めっ放し”のお宅に多い)
私たちは一度習慣として身に沁みさせてしまった行動を、容易に変化させることができません。また毎日の日々の動きというのはある程度ルーティン化されてしまうと、それ以外の行動を起こすことをたいへんな労力に感じてしまいがちです。
以前、自営の共働きのご夫婦のお住まいにお邪魔して、『隠し部屋』化している寝室の前を通りすがったとき、明らかにカビの強い臭気を感じてビックリしたことがあります。
西向きの窓は「夏の午後の強い日差しを避けるため」雨戸で閉ざされ、カーテンも引かれたまま。それに和ふとんではなくベッドであるため、いちいち布団を上げたり干したりする必要が無いと思われていたことも、この部屋の異様な湿気上昇に寄与していたと思われました。
そもそも忙しくて夫婦が「寝て起きる」以外の出入りはなく、朝晩だけでも雨戸をあけ、窓を開け、換気するという「手間」をかけている余裕もないようす。
また、親よりも多少は余裕のある子どもたちも、親の寝室であるためか遠慮して入ってきません。
「いつもと違う一手間(行動)を厭う」、「余計な仕事を増やしたくない」、「面倒……」そんな「いつも通りにこだわる」“気持ち”は誰にでもあるものと思います。そしてそれは一種の『執着』なのでしょう。
だいたい、カビの臭いというものも、その家に住んでいない他人だからこそ強烈に感じる類のもののようです。一説によれば各家庭にはその家庭固有のカビ繁殖のパターンがあり、「家の中の臭い」の個性を与えているといいます。
そう、この『カビ』こそが『風通し』問題のカナメなのです。
>>>次ページ>>>「風通しが悪い部屋」に起こる問題点