「マンション育児」の明と暗?
エレベーターが止まってしまったとき……。階段で上がるしかない我が家。山の上より、遠く感じるかも。 |
(フニワラ妻)「どうしたもこうしたも……。今朝さ、姉子ちゃんの幼稚園から帰ってきたら、エレベーターが点検中で止まっているじゃないのさ!」
(夫)「今日の9時半からお昼まで定期点検だって、回覧に出てたじゃない」
(妻)「見落としたのよ!」
(夫)「それで、階段で家に上がってきたの?」
(妻)「ベビーカーで出かけてたのよ……。もう帰る気失せたし、近所のコーヒーショップで時間潰そうと思っていたら、妹子ちゃんがウン○してしまって……」
(夫)「そりゃ、帰らざるを、得ないねぇ……」
(妻)「管理人サンに断って、エントランスにベビーカーを置いて、妹子ちゃんを抱えて上ったわよ、12階!」
(夫)「抱っこヒモ無しで荷物持って、じゃ、重かっただろうねぇ……」
(妻)「およそ10キロのコメ袋を抱えて12階まで上ると想像して欲しいわね! 家に帰って、おむつ替えて、下界に降りるだけで計40分よ! 気づいたらお迎えの時間じゃない!」
(夫)「ってことは、その時点で11時半だったのか……って、降りた頃には、エレベーター、動いてたんじゃない?」
(妻)「!!!」
大人だけの暮らし方と、子どものいるそれとは大きく異なる現実。 |
また、子どもが生まれ増えてしみじみ感じる「我が家」の長所&短所。子育ての日々に絡めて、ズラズラ出てきます。
【長所】
・リビング床暖房だけで冬の暖房が足りてしまう、気密性の高さと保温性
・LDK+和室(寝室)だけで生活できてしまう、子どもに目が届くミニマムな動線(ホントは3LDKなのでもう2部屋あるのだけど……)
・駅徒歩2分の立地ゆえ、公共交通機関を使った子連れ外出がきわめて容易
「マンションは利便性が肝」と心得る家探しを挙行した6年前の自分の面目躍如。しかし……
【短所】
・(上記のように中高層なので)エレベーターが止まるとたちまち子どもを抱えての身動きが取れなくなる
・エレベーターは動いていても、家から外に出る気概がない限り、果てしなく子どもと引きこもりライフに突入……
・(決して関係が悪いわけではない)隣人と1ヶ月会わずに過ごせてしまう孤立しやすさ
・停電するだけで水道も止まり、ライフラインが全滅する
・狭いベランダしか「目の届く屋外」がない。ちいさなプランターしか「自然」もない
・屋内が陰圧になりやすく、窓や玄関ドアを開けるとリビングドアが勢い良く閉まり、きわめて危険
・駅徒歩2分の立地ゆえ、公園など子どもの遊び場所が近所にない
・子どもが騒ぐと階下に迷惑
・街中なので当然空気が悪い
・駐輪場が遠いので、日常生活に自転車を使いづらい
(妻)「姉子が小さい頃にはあんまり気にならなかったんだけど、最近、姉子が屋内遊びに煮詰まっていて、あっと思い当たることがあったんだ」
(夫)「どういうこと?」
(妻)「私は田舎育ちだから、子どもの頃は大概、家の外、田んぼや山とか川で遊んでいたの。でも幼稚園の頃までは、“庭先”っていうか母親の目の届く“軒先”で遊んでいたのね。地グモの巣をひっぱり出したり、アリの巣に熱湯を注いでみたり、捕まえたバッタの背中にサインペンで模様を描いてみたり、“キン消し”に泥をまぶして“天ぷら”を作るおままごとをしたり……」
(夫)「……遊びの内容はともかく、確かにバリエーション豊かで退屈しなさそうだね」
(妻)「マンション暮らしって、圧倒的に“虫”を触る機会がないの。アリでさえ、滅多に見られないし、アリの巣の前で座り込んで何時間も観察……なんてし得ないんだよね。公園なんかでそんなことされたら、母親の私のほうが音を上げてしまうし」
(夫)「でも、それが“庭先”だったら、安心して放って置けるんだよね」
(妻)「そう。そんな遊びの空間がない生活って、正直、どうなんだろうと思う」
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