結局『ホットカーペット』と大差ない? まさか!
「頭寒足熱で、『床暖房』がいいなって思うことはあるの。でも、家にはないし、リフォームでも入れるの、お金かかるし面倒でしょう。だからうちは『ホットカーペット』を使っているわ。
あれもね、お尻から暖まるし、
ちょっとは、空気も、暖まる気がするし。
結局『床暖房』だって、『ホットカーペット』と大差ないものね?」
こんなふうに、「ね?」と正面から言われて、「いいえ」とは……なかなか言い辛いです。
でも言います。
「大差あるんですよ」。
全然、ベツモノなんです。
ホットカーペットを利用している方にお伺いしたいのですが、例えば、12畳の部屋でホットカーペットをつけているのみで、「部屋の気温を5度上げる」ことは可能でしょうか。
もしかしたら1度ぐらいは…?
でも「5度」はいかにも、無茶ですよね。
『ホットカーペット』は、そもそも『こたつ』と同じように、「『ホットカーペット』を敷いた上に座っている人を暖める」ためのものです。部屋全体や、空気ごと暖めるものではありません。
逆に『床暖房』とはそもそも、「床の上のみを暖かくする」ためにあるものではありません。このへん誤解されがちなのですが、部屋全体を暖房する、言ってみれば『ファンヒーター』や『エアコン』と同列に位置するものです。気温を5度上げることも可能です。
ただその暖房方法が『ファンヒーター』や『エアコン』のような「温風」によるものではなく「床を通して発せられた輻射熱」によるものだという特徴があります。『輻射熱』とは、平たく言えば「温まった床が発する熱で部屋の壁面が温まり、天井が温まり、その熱で部屋の中にいる人が温まり、その熱で気温が上がる」というものです。
ですから『床暖房』をしている室内の温度分布は均一になり、「足元だけ」「天井近くだけ」暖かい、ということにもなりにくいのです。
「温風」を伴わないメリットは他にもあります。部屋にいて、不愉快に感じがちな「気流」を感じないで済むのみならず、アレルギーの原因と言われる「ハウスダスト(ホコリやダニ)を舞い上げない」点も無視できません。
ただ、ジワジワ暖める性質であるため『ファンヒーター』や『エアコン』のような「即効性」はないのです。これを「立ち上がりが遅い」とデメリット視することもできます。
けれど風が起こらない、空気が乾燥しにくいというメリットは見逃せません。冬季の乾燥は家の中でも外でも私たちを傷めますよね。
そんな『床暖房』に慣れてしまうと、温風による暖房がとても辛く感じられるきらいがあります。高いところに上がった熱気で、頭もボウッとしてきて、でも足元がスウスウいうのもまた辛い。
白状するとフニワラ家の人は皆、『床暖房』のない家に冬場長居すると乾燥と寒さのあまり風邪気味になります。
そう考えると、環境や慣れって怖いですねぇ……。
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