これがいわゆる「余白の美」・・・? |
理想はスカスカ・収納エリア!
さて世の中には「収納しないために、収納スペースを住まいに設けない」という選択をするひとがいます。「あるから仕舞いたくなる。仕舞えるから要らないものを買ってしまう。そして忘れる」。耳が痛いですね。確かに、少なからず住まいの収納エリアには「とりあえず仕舞って、そのまんま」なモノが鎮座ましましているものではないでしょうか。定期的に「出し入れ」しながら、「掃除」しながらモノのリストラを図りながらも、「やっぱりそこに空間があるから新しく買ったモノをとりあえず、仕舞ってしまう」のループ。
いつまでもその収納箇所の収容率は、お正月の新幹線のごとく「200%」のままだったりします。
よく住宅展示場のモデルハウスに行くたび思うのです。「広々4畳半のウォークイン・クローゼット」に、リアリズム追求型のディスプレイがなされていたら……絶対萎えるって。
すばらしい収容力をもつ4畳半のウォークイン・クローゼットには、数枚のダウンのコンフォーターが畳まれて棚に収納されているほか、これ見よがしに数着の洋服がぶら下がっているのみ…。かさ張る10着ものコートやオーバーもなければ、客用布団の一式もなく、収集日までまとめておく新聞紙の塚もない。多量の子どものオモチャを収めたカゴも、季節外れの家電も、そういう見苦しいものは何もない、クローゼット……。
でも、そこで気づくのです。「そうか、収納エリアって、収納のための場所だからって、モノでぎゅうぎゅうづめにしておかなければいけない場所ってワケでもないんだ」ということに。
節句のオオモノの出し入れに苦心するのも、そこがギュウギュウだからという理由に拠るところも大きいのではないかと思う昨今、「ほんとうは要らないようなもの」まで後生大事に溜め込んでおく習性、この春で卒業しませんか?
収納エリアがガラガラ・スカスカなのって、これでなかなか素敵な眺めです。