仏壇のお掃除
「仏壇…掃除なんて、誰がやってんのかなぁ? バアちゃん?」実は、これを書く私自身、仏壇の掃除をしたことはありません。育った家庭は核家族で仏壇はなく、仏壇を目にするのはそれこそ「盆暮れ正月」に父の生家に帰ったときだけでした。一人暮らしや結婚後の家庭でも同じこと。「いつやるのか?」「どうやってやるのか?」別に知りたくもない、必要になったら誰かに聞けばいいとぐらいに考えてきたのですが、実は還暦過ぎた親ですら、その掃除を「したことない」ことに気づいて愕然としたのでした。
【通常のお手入れ】
お線香の灰などがこぼれることも多いお仏壇。汚れをためると掃除がしにくくなるのは他と同じですが、お仏壇はデリケートな素材でできていることが多いため、じゅうぶん気遣いながら、まめにお掃除しましょう。
・基本はからぶきです。仏具をていねいに取り出し、毛はたきや筆などで塵やホコリをはらい、やわらかいネルなどの乾いた布で拭きます。
・拭く前に、じゅうぶんホコリを払っておくことが大事ですが、仏壇の中は薄暗いので、これが難しいそうです。
・粒子の大きい塵などがそのままある上を拭くと傷がつきます。注意しましょう。
・汚れのひどいところは、同様の布を少しだけ湿らせて拭き、すぐにからぶきします。但し、金箔やめっきの部分は水気厳禁です。毛ばたきで軽くはらうにとどめましょう。漆塗りの部分も同様に。
・真鍮など金属の仏具は、専用の磨き粉(研磨剤)と布でていねいに磨きます。
【汚れがひどいとき】
難しい汚れを深追いし過ぎると、思わぬトラブルを招きかねませんので、仏壇専門店に相談します。
神棚のお掃除
基本的に小さなお宮のようなもののまつられている棚を神棚といいます。棚だけでは神棚とはいわずそれは「棚板」です。神棚には神社からいただいてきたお札をおまつりします。棚板はヒノキ、スプルースなど材質はさまざまです。
【お手入れ】
目の高さよりも高いところに設けられる神棚は、なかなか目に付かないだけにホコリがたまりやすい場所です。でもホコリだらけにしないように…。基本は毛はたきでのホコリ払いを。お供えするものを置くとき棚板にこぼさないよう注意しますが、こぼしてしまった場合や汚れのひどい場合は、固く絞った布でよく拭き、からぶきをします。
→実践的方法はこちら。
神棚のお掃除(キッチン)
「場を清める」ということ
神道から来た考え方である「不浄を清めるために塩をまく」という行為を私たちは当たり前のように捉え、何かと塩を盛ったりまいたりしがちですが、やはり近年の私たちにとってもっとも必要な「お清め」の最たる方法は「お掃除」なのではないかと思っています。たとえ、どんなに高価で豪華(?)な仏壇や神棚があったとて、その置かれている部屋が「ゴミタメ」の如き汚さで、虫がわいていたり、悪臭が漂っているようでは何の意味もないのではないでしょうか…。
ところで、木の像、紙の絵など、私たちの身近にあるスピリチュアルなものの多くは「湿気」や「カビ」に弱いものです。この周辺をいま、「家の中でも日焼けする」紫外線の強い夏の時期に一度お手入れをしておくことには、滅菌の作用が多少期待できますし、乾燥も促せて一石二鳥でもあります。夏休みの一日、何か遠いところを意識しながら、こんな作業…スピリチュアルエリアのお掃除…をなさってみるのもよいのではないでしょうか。
→仏壇、神棚、もっと詳しく。
神様、仏様。(家相・風水)
「よい気」を作るは大吉なり(家相・風水)
神棚のある家は大吉なり(家相・風水)
神棚はどんな場所が吉?(家相・風水)
窓の上部に神棚は凶?(家相・風水)
夏休みが終われば、あっという間に9月。新学期を迎えた子どもたちの居場所、荒れていませんか? 【9月】のハウスケアは子どもスペース、子ども部屋のお掃除に焦点を当てたいと思います。それではひきつづき、よい夏休みを!
【参考文献】
「仏壇のはなし」谷口 幸璽 /法蔵館
「日本人なら知っておきたい神道」武光 誠/河出書房新社