●これまでの記事
→30歳で家を買う方法(1)『試し住み』のススメ
→30歳で家を買う方法(2)マンションか一戸建てか?
→30歳で家を買う方法(3)お金の問題
→30歳で家を買う方法(4)新築か中古か?


●INDEX
親も「子ども部屋」を持っていた世代の「子ども部屋」観…P.1
「子ども部屋」とは何する所か?…P.1
きれいごとで「子ども部屋」を考えない…P.2


親も「子ども部屋」を持っていた世代の「子ども部屋」観

こども
可愛く、大切な子どもたち。子どもたちの居場所「子ども部屋」を、親はどう、考えていけばいいのでしょうか?

日本の住まいにおける「子ども部屋」の歴史は浅く、遡っても大正デモクラシーの頃だといわれています。とはいってもその頃の「小供室」は「女中部屋」と変わらない位置づけで、せいぜい納戸の隣の三畳間、といった扱いでした。

現在、私たちが考えているような「子ども部屋」の登場は、それから時代を置いて昭和40年代に入ってから。高度成長に伴う建売住宅の増大と共に、「子ども部屋」はどんどん普及、昭和50年代には「あって当たり前のもの」となっていったのです。

そして、戦後続いてきた欧米のライフスタイルへの憧憬が、日本独自の「個室」文化を呼びます。ふすまで仕切られた空間から、ドアで閉ざされた空間へ。ベッドルームとしてではなく、勉強部屋として。親が気楽に出入りできる空間から、子どもだけのお城として。

昭和60年代から平成の初めにかけて、子どもたちの「登校拒否」が社会問題となり、「引きこもり」という言葉が社会に浸透しました。彼らが篭「城」するのは障子とふすまに仕切られたすかすかの和室ではなく、ドア一枚で壁に囲まれた堅牢な「個室」=「子ども部屋」です。

バブル期には、「子ども部屋」に机とベッドのほか、TV、ファミコン、ビデオデッキ、ステレオ、ラジカセ、果ては電気ポットや冷蔵庫まで持ち込んだツワモノも登場、「子ども部屋」は「ホテル」「ワンルームマンション」化していったのです。




ところで今、家を買おうとしている30歳(団塊ジュニア世代)の多くは、こんな「個室」を持って育ってきた世代です。勿論家庭によって、きょうだいと一部屋を分け合ってきた人もいれば、障子とふすまですかすかだった人もいれば、「離れ」のプレハブを建ててもらった人もいれば、結局「子ども部屋」などないまま来た人もいるなど様々ではあるでしょう。しかし意識として、「子ども部屋かくあるべし」というイメージは、ある程度共有できているものであるはずです。

それは例えば『ドラえもん』の、のび太の部屋であり、スネ夫、しずかちゃんの部屋である。二階に隔絶され、ゆとりをもって与えられ、(主に!)勉強以外に気ままに過ごすことが出来る場所。親の目を気にせず自分らしくいられる場所。30歳の私たちは、「子ども部屋」がどういうところか、身をもって知っています。その良さも、危なっかしさも。

そして恐らく、そういうバックボーンを持って育ち、その上で改めて自分の子どもに「子ども部屋」を与えようとする初めての世代になります。そういう前提において、次世代の子どもたちのための「子ども部屋」のあり方を、新たに考えていかねばならないのです。


「子ども部屋」とは何する所か?

それではズバリ、「子ども部屋」とは何のためにある、何をする場所だったのでしょうか。欧米のライフスタイルに(部分的に)倣い、ひとつは「ベッド(布団)のある、子どもの睡眠のための場所」。またTVや家族の邪魔から逃れて気兼ねなく「子どもが自分の机で、(受験)勉強をするための場所」。そして長じるに連れてどんどん増えていく子どもの持ち物を整理し、保管する「子どもの私物を収納・保管する場所」であったという辺りまでは多くの人が共有できる用途例だと思います。

さてそれ以外ではどうでしょう。あまり大きな声では言えないながら、こんな「用途」にも多少、思い当たる節があるはずです…
親の目を盗んで、勉強をサボって昼寝できる場所」、「親の目を盗んで、マンガを読み耽る場所」、「親の目を盗んで、ラブレターをしたためられる場所」、「親の目を盗んで、エッチな本を読み、隠す場所」、「親の目を盗んで、タバコを吸い、お酒を飲める場所」、「親の目を盗んで…エトセトラ」



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