ハト害、ついに都も乗り出す
平和でのどかな公園のハト…のいる風景。でもマンションのベランダに来れば一転して『害鳥』に。 |
「住まいを考える」ガイド記事でも3年前(2002年)に取り上げた「ハトのフン害」ですが(ハトのフン害?! 回避術参照。ドバトに関する基本知識も。)、その後もハト害に関するメール等はコンスタントにいただいています。
またその多くは、確かに東京を中心とした都市部、そしてやはりマンションにお住まいの方からのものがほとんどという状況にあります。
都によると、ハト害に関する苦情相談件数は年間500件以上。多くがマンション・ビル等の糞汚損に対するものと見られますが、そのハトに「エサをやる人」に対する苦情もあるという点に、今更ながら「ハッ」としています。
童謡にも歌われているように、公園などでエサに群がるハトは(若干鬼気迫る気もしつつ)やはり微笑ましいもの…と皆さんどこかで思われているのではないでしょうか?
しかしその、「エサやり行為」こそが都会のハトを繁殖させ、繁殖させてしまったがゆえに私たちの住環境を脅かしているという悪循環を断ち切る目的での今キャンペーンなのだということを、今一度私たちの「微笑ましい甘さ」ごと立ち返って認識しなくてはならないと思うのです。
外周からは「エサ禁止」、では目前のハトは?
「エサやり行為」の禁止が長いスパンでのハト減少に貢献するであろうことは分かりますが、今このとき我が家のベランダに来てフンをするハトに対してはどう対策したら良いのか?! そちらの方が重要です。前回記事でも回避術として、
・ハトが巣作りしたくなるようなベランダ上のモノ(不要な家具や、季節外のスタッドレスタイヤなど)を撤去すること
・ハトをなごませる「仲間のフン」を常に掃除してなくしておくこと
・まめに追い払うこと(但し傷つけない…! 鳥獣保護法に抵触するので…)
を挙げましたが、最近では、
・ハトがやって来て止まる際(ベランダ手すりなど)に「羽が当たる位置」に、テグス(釣り糸)を張る
という方法が効果を呼んでいることが分かりました。
(NHKテレビ番組『難問解決! ご近所の底力』2003年10月16日 で放映)
このテグス1本が身体を傷つけられることを嫌うハトを脅かすそうで、特にマンション等の屋上(ハトは一度屋上に止まって全体の様子を伺う)にこの仕掛けを施すことで、マンション全体のフン害を大きく減らす結果をもたらすとのこと。
自宅ベランダだけではなく、「屋上への対策」となると、マンションの管理組合ごと対策を講じる必要が出てきますが、ハト害は汚損や悪臭のみならず周囲一帯に健康被害をも拡げる恐れがあることから、ハトのフン害に今現在悩んでおられる方は、ぜひ迷わずに管理組合(賃貸の場合は、建物の管理会社など)に訴えていただきたいと思います。
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