■「わたしの暮らし」とLDK
「台所を家の中の寒くて居心地の悪い場所から、家族生活の中心へ!」「眠る部屋と、食べる部屋とを別々にしよう!(寝食分離)」
などの近代化への流れの中で日本の住まいに登場してきた「DK」「LDK」という概念に、近年アンチを唱える声が高まってきています。
「DK」「LDK」という部屋の在り方は、登場した当初には大変画期的だったし、ある意味とても効率的でもありました。「DK」「LDK」という名前によって、部屋の機能を定着させ、全国的に一定したスタイルを提供することができたからです。
しかしその弊害も生まれました。例えば9畳のLDKに、がっちり仕切られた4畳半と5畳の洋間がある住まいも「3LDK」なら、
15畳のLDKに、隣接して一間に出来る6畳の和室と9畳の洋間がある住まいも同じ「3LDK」。
一瞬聞いた耳障りは同じ。
住まいの供給側(売り手)にとってはとても都合の良い言い方になります。
でも買い手(住まい手)にとっては、どこかナンセンスさを感じずにはいられません。生活を画一化されるような、息苦しさを感じる人も、おられることでしょう。
食事は和室で、ぺたりと座って食べたい家族に、広いダイニングスペースは必要ありません。その和室が居間の機能も果たす場合、リビングスペースも特に必要無くなるでしょう。
「○DK」「△LDK」という既製のテンプレート。今も多くのマンション、一戸建てにそれは普通に取り入れられています。実際多くの人に受け入れられやすいという、普遍性や利便性がこのテンプレートにはあるのでしょう。でも、その部屋に自分の生活を、無理やり当てはめようとしてはいませんか?
「ねぇねぇ、じゃあたとえばさぁ、1LDKの場合、リビングダイニングキッチンの部屋にでも、ベッドを置いて、残りの1部屋をクローゼットとして使ったりしても、いいんだよねぇ?」とフニワラ(妻)の友人。
「ああそれアリだね。余計なものがすっきり片付くし、賛成!」
【追記】本文2ページ目の「3DK」の説明に誤りがありましたので文面を訂正しました。読者の皆様にはご迷惑をおかけ致しました。またご指摘下さいました読者のMさまには心より御礼申し上げます。(2003.03.20)
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