街を知るために『試し住み』
団塊世代のおとうさん達に多かったのが、経済成長に伴う『転勤』というものだったと思います。勿論いまでも少なくはないと思うのですが、今どきの若い世代は転勤するくらいなら『転職』?…というのはマス・イメージに毒されている証拠なのでしょうか。
『試し住み』はややコスト的にはかさむ行為ではありますが、計り知れないメリットを潜めています。
街というものは大概外から来た人には見えづらい独特の雰囲気や、慣習のようなもの、事件などの過去、いわく・由縁などを持っています。これらのうち良くないニュースほど、外部からひょいっとやってきた人の耳には入りづらいもの。特に『新規分譲地』『新築マンション販売』など「あたらしい、よそから来るお客」を呼び込みやすいケースほど、良い条件ばかりが耳に入れられることになりがちなのです。
賃貸のワンクール、2年もかければその街の隠された姿、よい面・悪い面さまざまな情報が否応なく耳に入ってくることになるでしょう。本当は住宅建築に適さないと思われる土地の販売さえ目に付くかも知れません。そういう物件は絶対地元の人は買わないものです。同様に、「これは出物だ!」という物件の目利きも可能になってくるでしょう。また、『試し住み』の間にその街の学校や役所の情報、買い物の上手な仕方などなど、生活に密着した情報にも長けてくることも請け合いです。
なかなか簡単に「家買って、気に入らなかったら、売っちゃう!」なんていうことはできないご時世です。できるだけリスクのない、間違いの少ない住まい探しのための第一歩は、『土地鑑を身につけること』。2年間の『試し住み』、必ず「して良かった」と思えるはずです。
次回は『マンションか一戸建てか』です。お楽しみに!