ISO400が使えるレベルに
画質はいかにもキヤノンのそれで、くっきりはっきりした傾向。嬉しいのは1/2.5型という小型のCCDを搭載しているにもかかわらず、ISO400がそこそこ使えることである。
詳細はいつものISO比較の画像を見ていただきたいが、色情報がかなり残っている。
さすがISO800になってしまうとかなり厳しいが、これでもまだかなり健闘しているといえるレベルだろう。縮小すればまだギリギリいけるのではないだろうか。
手ぶれ補正機構と相まって、かなり暗所で使える仕上げになっている。
スペックとして唯一気になることといえば、他社のすべてが揃えてきている内蔵メモリをいまだに搭載していないことくらいなものか。
キヤノンはデジカメ作りにおいてかなり保守的であることはよく知られているが、いまさら32MBのメモリーカードを付属させられてもユーザーとしても困ってしまうのだ。
1000円で1GBのメモリーカードが買えてしまう昨今、32MBていどのメモリーカードを付属させるのであれば、むしろ他の付属品を充実させて欲しいくらいだ。
▲バッテリーはIXY DIGITAL 10のものと同一。もちろんSDHCにも対応。 |
バッテリーライフはCIPA準拠で240枚。同じバッテリーを使用しており、さらに光学式手ぶれ補正を搭載しているにも関わらず、IXY DIGITAL 10から増えている。
このあたりからもIXY DIGITAL 10から単純にアップデートされた機種ではないということが推測できる。
また液晶ディスプレイは上から見たときにも色変異が少なく、構図が取りやすかった。
▲この角度から見ても充分に構図が取れる。 |
しかし、全体的に薄く黄色みがかかっていることが気にかかった。個体差なのかもしれないが、とりあえず明記しておこう。
基準点になりうるクオリティ
さて、発売直後の価格が3万4800円に設定されていながら、この完成度であることはかなり驚異的な話である。このサイズのデジタルカメラにおいて、IXY DIGITAL 20 ISは『基準点』となりうる性能を持っている。
IXY DIGITAL 20 ISと同価格帯のものであれば、顔認識や手ぶれ補正といった機能は同等のものでなくてはならないし、より高価なものであれば画質や機能、性能、あるいはスタイリングなどのいずれかの点において、なんらかの付加価値がなくてはならない。
たとえば広角に対応している、あるいはマニュアル撮影が行えるなどなど……。
そういう意味で、業界全体にプレッシャーを与えてくれるデジタルカメラに仕上がっているのではないだろうか。
(IXY DIGITAL 20 IS スペック詳細&実写画像へ)