モーションキャッチテクノロジーは使い処に困り気味
さて、IXY DIGITAL 20 ISの最大の売りとして「モーションキャッチテクノロジー」というものが挙げられている。これは被写体がどのていど動いているかを検知し、被写体ブレが起きないように動的にISOを増減し、シャッター速度を合わせるという機能だ。
この機能自体は目新しいものでもなく、すでにEXILIMなどでも導入されている。
顔認識と同様に画像エンジン(用語解説)に余裕が出てきたたために搭載された機能のひとつであろう。
実際に使用してみたが、この機能でのISOの上限は800となっている。
ちょっとした動きであればいきなり800に上がるようなことはなく、400~500ていどで抑えられることもあったのだが、室内ではかなりの割合で800に増感されてしまった。
IXY DIGITAL全体の傾向として、ISOをオートにするとシャッター速度をかなり上げようとする、つまりISOを上げようとする傾向にある。
この「モーションキャッチテクノロジー」でもその傾向は引き継がれている。
屋外であればともかく、照明の乏しい一般的な室内などではけっきょくISO800に設定しているのとほぼ同じ結果になることがままあった。
ノイズがISO400まではそこそこ抑えられており、ISO800からかなり増えてしまうことも手伝って、機能的に使いどころの難しさを感じた。
ようやくあの数字が表記されるように!!
筆者が特筆したい、ようやくというかどうにかというか、改善された機能がある。IXY DIGITALではおそらくはじめて、シャッターを半押ししたときにF値、ISOが表示されるようになったのだ。
これまで手ぶれを起こしそうなシャッター速度だけが表示されるという状況だったものが、ようやく、本当にようやくF値が表示されるようになった。
▲おそらくIXY DIGITALでは初の出来事。 |
他にもISOをオートに合わせているとEXIF(用語解説)にISOが記録されないという仕様であったものが、まともに記録されるようになった。
特にマクロで撮影するときなどは被写界深度(用語解説)を気にする必要があるのだが、F値が表示されないために苦労したことがあった。
相変わらずF値などを設定して撮影するマニュアル撮影はできないが、撮影に際して状況を把握することが楽になったことは間違いない。
最後にざっと画質や気になったことなどを挙げてみるとしよう。
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