期待された高感度対応は……
さて、DIGIC IIIが搭載されたことで気になる高感度対応だが結論から書いてしまおう。さほど大きな進歩はない。ただ、IXY 800ISから見ると色ノイズがかなり抑えられており、わずかに縮小するだけでもかなり使用に耐えられるものになっているとはいえる。
▲上がIXY 900ISのISO800画像。下がIXY 800ISのISO800画像。どちらも実画像からの切り抜きだ。 |
また、ISO800までであった高感度対応がISO1600にも対応していることは挙げておくべきだろう。
ただ、高感度において色ノイズを抑えることで全体の色自体も大人しめにされてしまっている。が、筆者としてはISO800がそこそこ使えるという手応えは得た。さすがにISO1600ともなると厳しいが、ブログなどで使うのであればISO800からの縮小画像は悪くないはずだ。
詳細は実写画像を参照していただきたい。
使えるレベルとなっている顔認識機能
それではDIGIC IIIとなって余力が出たはずの画像エンジンの力はどこに注がれているのかという話になる。おそらく、顔認識にそのパワーは割かれているのではないだろうか。IXY 900IS以前にも顔認識モードを持っていたデジタルカメラはあったのだが、これがかなり重い処理をしていたようで、あまり使い物になる代物ではなかった。
しかし、IXY 900ISのそれは使える。というか使っていて面白い機能として仕上がっている。
これはハードウェアで顔認識を行っているために、軽い動作になっていると思われる。
IXY 900IS以外にも富士フイルムのFinepix S6000fdなども同様にハードウェアを搭載することで同様に高速な顔認識機能を搭載している。
▲メニューの初期設定で顔認識機能はON。使える機能になっているという自信の現れだろう。 |
実際に使ってみてもらいたいところであるのだが、ほとんどの場合で顔の認識に成功する。また、フレーム内であれば前後左右に移動しても顔認識はそのまま継続して使用できる。
さすがに振り向くなどして顔が見えなくなる場合には認識できなくなってしまうのだが、実用上は問題ないだろう。
記念写真を撮影するときなど、誰が使っても顔にピントがくるという機能はなかなかに使えるはずだ。
使っていて面白かったので、いくつか実験をしてみた。
○ 顔だけのCDジャケット(宇多田ヒカルのULTRA BLUE)
× 上のCDジャケットの目をボールペンで隠す
○ 同じCDジャケットの口を隠す
× フィギュア
× マンガの登場人物(モノクロ、カラーとも)
△ いわゆるアニメ的なモデリングの3D画像
○ 写実的なモデリングがされた3D画像
× ネコ
× イヌ
時として、まったく顔ではないところでも反応することもある。
どうやら目(瞳)の大きさと鼻の比率あたりに認識の秘密がありそうだ。
まあ、ちょっとしたお遊びとして受け止めていただきたい。
さて、最後にその他のスペックを見てみたい。
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