手ぶれ補正機構とバッテリーライフは相反する存在?
手ぶれ補正機構を搭載しているデジタルカメラでは、バッテリーライフに不安を抱えていることが多い。というのは機械式手ぶれ補正機構ではレンズやCCDなどは、手ぶれを打ち消す方向に常に動いてしまっている。つまり、手ぶれ補正機構を搭載しているだけでバッテリーを多く消費してしまうのだ。
先日、レビューをしたOptio A10、DiMAGE X1、あるいはDMC-FX7などもバッテリーライフにおいてはCIPA準拠で120枚~150枚という、かなりプアな成績となっていた。
しかし、IXY DIGITAL 800ISではCIPA準拠で240枚というバッテリーライフを実現しているのだ。
▲バッテリーの大きさは中程度。バッテリーライフはそれなりに健闘しているレベルだ。 |
『ロングバッテリーライフで~』と自慢できる成績ではないが、とりあえず合格レベルではある。一度充電しておけば、少なくとも一日の撮影に不安を抱えることはないはずだ。
日常で旅行に携行するにはやや不安が残るかもしれない……といったところか。充電器も比較的小型になっているので、旅行に持っていく場合にはこちらも携行することをお勧めしたい。
嫌味なほどに欠点が少ないデジタルカメラ
起動速度やオートフォーカスの速度も一線級のレベルとなっている。ややホールド感に欠けて持ちづらい……というのが弱点らしい弱点として挙げられるていどだろうか。実に欠点の少ないデジタルカメラといえる。
▲電源スイッチの場所が前機種までの上面から背面に移っており、やや違和感を感じた。 |
画質はいかにもキヤノン的な彩度くっきりのIXY画質(もしくはDIGIC2画質)だ。
ほとんどのユーザーが好ましいと感じる方向性でチューニングがされている。特に植物を撮ったときの緑の鮮やかさは特筆しておくべきだろう。
これからの季節、自宅ガーデニングの移ろいなどを撮影するのに最適だといえるだろう。
保守的なキヤノンがついに一歩を踏み出した
キヤノンというメーカーは基本的にスペックに関しては保守的で、機械式手ぶれ補正機構の導入もコンパクトスタイルのものにおいては最後発となった。その保守性はいまだにクレイドルを採用しているデジタルカメラがIXY DIGITAL L3のみであるということからも推し量れるだろう。
しかし、それだけに導入する際にはきっちりとしたものを導入してくる。今回もボディデザインや画質、撮影感覚、さらにはバッテリーライフといったものを欠くことなく、しっかりと手ぶれ補正機構を導入することに成功している。
この春、もっとも注目されるデジタルカメラのひとつといえるだろう。
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