●謎の機能もついている
正直、何に使うのかよくわからない立体視写真生成機能というものがついている。
これはプリントをして付属の立体視用ビュワーで見ることで立体視が可能になるというものだが……どういうシチュエーションで使うのがふさわしいのか、どうしても思いつくことができなかった。
だがこういった機能は搭載されていてもいいだろう。
少なくとも、独自の機能ではある。この機能で価格が高騰しているわけでもないのであれば、むしろ歓迎だ。
●軽快な撮影感覚は〇、しかし……
EX-Z3と同様に撮影時の軽快さはなかなか高い。
少なくないデジタルカメラが小型化の犠牲として機動性をオミットすることがあるが、OptioSについてはその心配はないと見てよさそうだ。
まず、起動は2秒台。
初期設定では起動時にペンタックスのロゴが表示され、企業イメージ音が鳴るが、これはメニューでキャンセルすることもできる。
というより、積極的にキャンセルすべきだろう。ロゴが表示されている分、起動時間が遅れるからだ。
撮影インターバルも約2秒強。これも上々のできだといえる。
オートフォーカスも半押ししてからは速い。ただ、シャッターを半押しにするまでが時間がかかってしまうのだが。
これに関しては後述する。
●小ささは欠点ともなりうる……
欠点を挙げるとするならば、その小ささだろう。
小型化のために、犠牲になっている部分は少なくない。
具体的に挙げるならば端子部分だ。
たとえば、Cyber-Shot P8ではプラスティックでも本体と色味を揃え、収納時はフラットな外観になっている。
それにくらべ、OptioSの端子部分、およびそのカバーはちょっといただけない。
特にレンズ収納時フルフラットになる前面に比べて、あまりにおざなりなつくりにがっかりしてしまった。
こちらがCyber-Shot P8の端子部分。カバーをしているときはフラットな状態になり、色味も揃えられている。こちらがOptioSの端子部分。ストラップ取り付け部もちょっと……。
インターフェイスに関しては、メニューに問題となるような部分は少なかった。
あえていうのであれば撮影モード切替時にアイコン表示のみであることくらいなものだ。どのようなモードに入っているか文字での表示もほしかった。
そして、なによりも気になったのがOKボタンの押しづらさだ。
OptioSのインターフェイスの中核を担っているボタンであるにも関わらず、これが微妙に押しにくい。
OptioSが小型である上にOKボタンが4方向ボタンも兼ねているため、クリックしづらいのだ。
確かにメニューの選択と決定が同じボタンでできるのはありがたい。Dimage Xtのレビューでは、筆者はそのように書いた。
が、それは操作しやすさがあった上での話だ。
このOKボタンがなかなかのクセ者……。
そして、使っていて最大の弱点だと感じたのはシャッターのストロークである。
通常、オートフォーカスを搭載しているカメラは、シャッターを半押しすることでピントを合わせることができる。
しかし、OptioSのシャッターは半押しが非常に深く設定されているのだ。
はじめて使ったときは「あれ、押せない? まだか? ……あら、まだ?」という具合にいつまで経ってもシャッターを切れずにいた。
けっきょく、このシャッターの深さに最後まで慣れることはなかった。
ぐっと押しこまないと、シャッターを切ることはもちろん、半押しすらままならない。
前述したようにオートフォーカスの速度には問題がないのだが、なかなかピントがあわせづらいというのもまた事実である。
●小ささに価値を見出せるか否かが購入の分かれ道
世界最小という超小型のボディ、そして質感のあるアルミ外装。
OptioSにはモノを持つ喜びがある。その感覚に関しては兄弟機とも呼べるEX-Z3よりもはるかに上だろう。
また、カメラとしての撮影オプションの幅は、ペンタックスというカメラメーカーの製品だけあってかなりのものだ。
その反面、EX-Z3はお遊び的な余禄部分に優れている。
どちらを選ぶかはユーザー次第だろう。
世界最小のフォルムが女性のポーチに入っていてもおかしくないであろうし、逆に一眼レフをバリバリに使っているユーザーがサブ機として持っていてもさほど違和感はないだろう。
筆者が個人的に買うならOptioSを選択するだろう。ただ、人にすすめるのはEXILIM ZOOMかもしれない……。
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