・ノイズは手ぶれとトレードオフ?
弱点として気になったことがふたつある。
ひとつは液晶ディスプレイに表示されているライブ画像と、撮影した画像の露出が大きく異なることだ。
撮影後に記録した画像がプレビューされるのだが、これが撮影時に液晶ディスプレイに表示されていた画像と色味、露出ともにかなり異なっているのだ。
また、画像に全体的にノイズが乗っていることも気にかかった。晴天での撮影でもノイズが乗っており、特に固い質感のものを撮影した際に質感が失われていることが少なくない。
もともと、軟調なチューニングがされてるようなので、都庁を撮影した画像では解像度はともかく質感が再現できていないのが気にかかった。
ややJPEGの圧縮がきついことも原因として挙げられるだろう。画像を見ていて「低圧縮モードがあればな」と思わされることが何度かあったことを付け加えておこう。
夜景モードではCCDの感度を上げており、さらにノイズが目立つようになる。しかし、それでも手ぶれの心配のないレベルまでシャッター速度が上がるので、このあたりはトレードオフとして考えるべきだろう。
カラオケルームの中でもフラッシュなしで充分に使えるというのは驚きだ。
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また、画像を再生するときのスピードが、やや引っかかりを感じるていどの速度であったことも記しておくべきだろう。
・バッテリーのもちは合格点。しかし……
F410はリチウムイオンバッテリーを採用しており、撮影時間も満足のいくものだった。一度の充電でほぼ丸一日、約160枚の撮影が可能であった。
ただ、ひとつ気になった点としてバッテリー形状を挙げたい。平板状のバッテリーで表裏がまったく同じ形状となっている。つまり、上下、表裏ともにどういった方向でも入れられてしまうのだ。
最初にバッテリーを入れたときに表裏を逆に入れてしまい、スイッチが入らずに「故障か?」と5分間ほどマニュアルと首っ引きになってしまったことを告白しておこう。
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・スナップデジカメとしておすすめ
JPEGの圧縮モードを切り替えることができなかったり、露出をはじめとした設定の変更に手間がかかるなど、気にかかることはいくつかある。しかし、F410は基本的にはフルオートで撮影するというスナップ用のデジタルカメラである。
そうやって考えたときに使いやすく、おすすめできる製品として仕上がっているといえるだろう。
ただ、メモリカードとの兼ね合いもあるとは思われるがメインで使用するのは3Mモードをお勧めしたい。
解像度を上げられるというのはハニカムCCDの大きな利点ではある。しかし、F410では最大解像度が600万画素となり、1枚の平均データサイズが1.5MBにもなる。同梱されている16MBのxDピクチャーカードでは10枚しか撮影できない。
3Mモードでも20枚ていどではあるが、128MBや256MBといった大きなカードではこの2倍の差は大きい。
128MBでは6Mモードでは86枚、3Mモードでは162枚の撮影が可能となる。
大きなサイズの画像はレタッチや印刷においても不必要な負荷となる。やはり、通常では3Mモードを使い、ここぞというときのみ6Mモードを使うといった使いかたがおすすめだ。
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FinePix F410レビュー
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