プリンタと併用するなら最低、300万画素が必要?
これらのデータを写真画質プリンタと呼ばれるインクジェットのプリンタで、A4用紙に印刷すると違いはさらに際立ってくる。
200万画素ではそこかしこに粗さが目立つものの、300万画素ではほぼその荒さが目立たなくなり、400万画素以上のデータをプリントしたものと比べてもさほど遜色はない。
もちろん、さまざまな部分を比較すれば解像度の違いは出てくるのであるが、300万画素であればほとんどの場合、満足できるA4プリントが得られるだろう。
また、現在(2003年春~夏)の市場では、300万画素クラスのエントリー機~普及機が価格的にも機能的にもスイートスポットとなっている。各社とももっとも力を入れているのが、実売価格で39,800~49,800円前後の300万画素のデジタルカメラだ。
A4インクジェットプリンタと組み合わせるなら、いまが旬の300万画素のデジタルカメラを用意したい。めでたしめでたし……では終わらない。
ここで読者のみなさんに質問がある。
雑誌やWeb媒体でデジタルカメラとA4サイズプリントの組み合わせというのは、実によく取り上げられる話である。
200万画素のデジタルカメラが発売された前世紀末から、すでに「A4のインクジェットでプリントしてもなんら遜色のない画質云々」という言いかたがされてきた(そして、筆者も上でしている)。
あなたはいままでA4でプリントをしてきただろうか?
だがしかし、である。
A4のフルサイズに写真をプリントする機会が、年に何回あるだろうか?
筆者はいままでエプソンのカラリオを2台と、キヤノンのPIXUSを1台買ってきた。最初がPM-750Cであったから、A4写真画質のインクジェット式プリンタを2年に1回ほど買い換えていることになる。
しかし、5年以上の所有歴の中でテスト目的以外で写真のみをA4フルサイズに印刷したことは、両手で数えられるていどしかない。
A4で印刷をする場合は、おおむねパンフレット的なものを印刷するときだった。そういった場合、写真はあくまでも要素となることが多い。
写真を単体で印刷するのは往々にしてLサイズか、2Lサイズ、もしくは葉書サイズのプリントでしかない。
A4用紙は圧倒的なまでに収納性が悪く、市販のアルバムに収納できないからだ。
額に入れるような写真であっても、筆者はA4ではプリントしていない──むしろA5ていどの大きさがいいのではないかと思われる。
どうだろう?
胸に手を当てて(当てなくてもいいが)考えてみていただきたい。果たして、A4でのプリントが必要だろうか? もしくは、A4でのプリントをしたことがあるだろうか?
写真の一般的なプリントサイズであるLサイズならば、130万画素でも充分に見栄えのする印刷が可能だ。ということは、ほぼプリントにおいても高画素は必要ないということになる。
もしかしたら、これは暴論かもしれない。
しかし、論拠としては成り立っていると思われる。
もはや、コンパクトタイプのデジタルカメラにおいて画素数は大きな意味を持っていない。
冒頭で筆者は、購入相談でもっとも頭を悩ませるものは画素数の相談だと書いた。
そう、もはや画素数ではデジタルカメラは計れないのだ。だからこそ返答に悩むし、難しい質問となるのだ。
では、画素数とはデジタルカメラ選ぶのときに、どのような意味があるのか……それは次回のお楽しみ。
何万画素からが、いいデジタルカメラ?
実際に画素数で比べてみよう
プリンタと併用するなら300万画素が必要?
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