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卒業を半年後に控えた夏。「迷い……」
これで良いのだろうか……? こんな景色の中で働けるチャンスなのに、思わず迷いが。 |
プライベートな時間などまったくない、ギリギリの生活ではありましたが、学ぶこと、働くことの楽しさを満喫していた時期でした。取らねばならない単位の数も、カウントダウンでどんどん減っていき、卒業を半年後に控えた夏が来る頃には、会社から卒業後の本採用を約束していただくことになりました。
それは、あまりにも幸運な展開で、学校の仲間の中でもひじょうに特異な例でした。しかし、そんな好機を目の前に掲げられながらも、どこかで気持ちに踏ん切りがつかないでいる自分がいました。順調すぎる事の運びが、なぜかザワザワとした迷いを呼び、「本当に、この申し出を受けていいのだろうか……」と贅沢な迷いを感じるようになっていました。
社会への道を開く魔法の就労許可証OPTビザ
アメリカの大学や大学院で学位を取ると、留学生にも1年間の就業のチャンスが授かります。通称OPTビザと呼ばれていますが、Optiional PracticalTrainingの略で、学校で身につけた知識を、実社会で経験にかえるためのトレーニングを目的として、正式な就労許可が与えられるのです。どこで何時間働いても良く、途中で転職をしても、掛け持ちをしても構わないという、実に便利な「アメリカ社会へのパスポート」。ただし、1年間で効力が消える期間限定のマジックです。
卒業後もそのままハワイに残りたい学生は、このOPTの期間を利用して自分の能力を企業に認めてもらい、その先の本物の就労ビザの手配をしてもらおうと最大限の努力を払います。留学から就職へと移行する成功法則の王道と言えるでしょう。
僕の場合は、学生生活を送りながらの1年半で、すでに実力評価の段階は済み、OPTのみならず、その後のビザの保証までオファーされるという、ありがたい状況でした。ただし、手放しで「やった~!」と喜べない背景もあったのです。
実際、僕が働き始めてから、会社のサイズはすでに2倍にふくれていましたが、その成長の過程で、大事なステップを踏み忘れているようにも見受けられ、社員からは不満が続出していました。それが良くある「Growing Pain(成長の痛み)」ならばいいのですが、どうもそのようには楽観できない面もあって、自分や会社の将来に100%の自信を持つことができないでいました。
もしこの会社でOPTを始めてしまったら、もう他で働くチャンスを失ってしまう……。漠然とした不安を募らせながらも、ビザのない僕には、他に選択などあるはずもなく、季節はいよいよ秋。卒業まで3カ月の秒読み段階に入りました。
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