フュージョンとは「融合」という意味。フュージョン料理とは、日本、アジア、フランス、イタリア、中華、などそれぞれの料理がボーダーレスで融け合わさった料理のことです。グルメ本やレシピ本のインデックスにも、今までの中国料理、日本料理、フランス料理、タイ料理、、、などに混じってフュージョン料理というカテゴリが堂々と存在するようになっています。 -----*-----*-----*----- こうした複数の国の料理や食材を融合させて、今までにない料理や食べ方のスタイルをつくり出すというフュージョン料理。作る側から言えば、世界各地から日本に集められた豊富な食材の数々をひとつの料理に完成させるために、各国料理の中から必要な要素を選び出し、ベースとなる料理に自在に取り入れていくということです。そうして“和風テイストのイタリアン”や、“アジアンテイストのフレンチ”の創作料理が生まれます。 定番の正統派メニューはどこのレストランに行っても味わうことができますが、フュージョンメニューの場合は、料理人の「融合」の方法や基礎力量や知識・経験などによって、数え切れない種類のオリジナルメニューが誕生します。「融合」させることでより美味しいものを創り出すのですから、そこにはキラリと光る個性や腕、発想の豊かさが不可欠。私たち食する側にとっては、料理を味わう楽しみの他に、そのアイデアに驚かされることでより一層、食事を楽しむことができるのです。 例えばフレンチやイタリアンなどの比較的重いコース料理の途中に一品、和食のさっぱりした小休止が出されることで、舌も気分もほっと一息することがありますよね。こうした組み合わせの妙が楽しめるのは、それぞれの料理が決してミスマッチせず、融け合ってひとつになっているから。見た目に奇をてらうだけではなく、食べてみたら予想に反した食感や味が体験できる、という魅力がないと、「組み合わせること」自体が簡単なだけに、本当に満足できるフュージョン料理とは言えないのだと思います。 フュージョン料理。カレーライスとおみそ汁、里芋の煮っころがしとハンバーグ、が一緒のテーブルに並んだりする、柔軟な舌を持つ私たち日本人にはぴったりのスタイルなのかもしれませんね。 さて、次のページでは、「チャイニーズ&タイ&イタリアン+和風少々」な、ワインにもピッタリな前菜レシピをご紹介いたします。 |
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