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ハイテク旅客機の乗り心地(後編)(2ページ目)

今回お届けするのは、ハイテク旅客機の乗り心地レポート第2弾。通常キャビンを45分で“救急車”に変身させる技術や、エンジン騒音の解消策、“脱・石油”に向けた各社の本格的な取り組みなどについて報告します。

執筆者:秋本 俊二

飛行中のヒソヒソ話もOK!
それを可能にした防音技術と新開発エンジン


これまでの旅客機では、エンジン音に悩まされて眠れなかったり、CAとの会話も声を張り上げなければお互いの言葉が聞こえないといったことも少なくありませんでした。しかし最新旅客機では、周囲の人たちのヒソヒソ話まで聞こえてくるほどの静寂性が実現しています。

それを実感したのが、シンガポール航空が東京/シンガポール線で就航したエアバスA380を利用したとき。A380の開発では、ボディの外板と内壁の間の防音処理などの研究に多くの時間が割かれたほか、エンジン自体も欧州の厳しい環境規制に適合させるために静寂性を追求して設計されました。

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ボーイング787に採用された“花びら型”エンジン

一方、ボーイングが開発中の787では、全体をおおっている外板(ナセル)のうしろ端が波を打ったような“花びら型”のエンジンが採用されています。これは「シェブロンノズル」といって、エンジンの騒音を減らすための工夫から生まれました。ジェットエンジンの騒音源の一つになっているのが高温高速の燃焼ガスで、取り込んだ空気を燃焼させる際に爆音が発生します。それがシェブロンノズルの装着で、燃焼ガスを周囲の大気とうまく混合させ、不快な騒音もかなりのレベルまで緩和できるようになりました。

機内では眠れない、という人も、これからはゆっくり休めるようになるかも知れませんね。


≫≫≫ 次のページは「“脱・石油”の本格的な取り組みが始まった」
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