識者たちが語る、A380の可能性
シンガポール航空から日本への5月20日の就航が正式に発表された、エアバスA380。ファンたちの期待も一気に盛り上がっていますね。私も昨年10月のシンガポール/シドニー線の世界初就航便を搭乗取材したほか、これまでA380と深く関わってきた識者の方々にもインタビューを続け、このオール2階建て巨人機への期待の大きさを改めて実感しました。
「A380でのフライトを一度でも味わってしまうと、もう他の飛行機に乗る気がしなくなる」──そう話していたのは、私とともにシンガポール/シドニー線の世界初就航便を取材した航空写真家の小栗義幸さんです。また成田空港へのテスト飛来などを見守り続けてきた毎日新聞・成田支局長の黒川将光さんは「A380のあの堂々とした偉容に、旅行者たちは“あの飛行機は乗ってどこかへ行きたい”という空の旅への思いを刺激されるだろう」と語っていました。
左から小栗義幸、黒川将光、青木謙知の各氏 |
「新素材の開発から地球環境への配慮まで、A380のボディを輪切りにしてみると、そこにはさまざまなハイテクが駆使されている」と語るのは、航空分野の技術に関してとくに造詣が深い航空評論家の青木謙知さん。またプライベートでもA380でシンガポール/シドニー間を往復してきたというフリージャーナリストの中西克吉さんは、その抜群の飛行安定性に言及し「A380は飛行機が嫌いで敬遠してきた人たちにも新しい可能性を広げるだろう」と話します。
私たちと同様、昨年10月の初就航便に乗る機会を得た小学館『ラピタ』副編集長の安藤正さんは「従来から定評のあるハイレベルな機内サービスにA380という新しい機材が加わったことで、シンガポール航空の人気は当分揺るがない」と今後を予想。そして日本での唯一のエアライン専門誌、イカロス出版『月刊エアライン』編集長の佐藤言夫さんは「これだけ話題になっている機材ですし、日本の2社も“フラッグシップ”としてぜひ持っていてほしい」JALとANAに期待を寄せます。
左から中西克吉、安藤正、佐藤言夫の各氏 |
ところで、私の新著『エアバスA380まるごと解説』が3月15日にソフトバンククリエイティブ社から「サイエンス・アイ新書」シリーズの1冊として刊行になりました。上記6名の識者たちの話も、各章のコラムとして詳しく掲載しています。次のページでは、その新著についてご紹介いたします。
≫≫≫ 著書『エアバスA380まるごと解説』刊行のお知らせは次のページで。