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ボーイング787が「準国産」と言われる理由(3ページ目)

日本の技術が世界に認められているのは、車や家電などの分野だけではありません。今年7月に1号機が完成したボーイングの次世代中型機787も、じつは部品の3分の1以上が日本製。まさに「準国産」旅客機なのです。

執筆者:秋本 俊二

ANAも「ローンチカスタマー」として開発から協力


この787の導入を2004年に世界に先駆けて決定したのがANAです。ANAはエアラインの中で50機の787を最初にボーイングに発注。開発から協力する「ローンチカスタマー」として名乗りを上げました。

それと同時に、ボーイングとANAの間で「ワーキング・トゥゲザー」チームが発足。シアトルの開発現場にも3年ほど前からANAの技術者を送り込み、詳細設計やデザイン面で実際に787を運航するユーザーとしての立場から意見を伝えてきました。

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ANAは787を最初にボーイングに発注。2008年から世界に先駆けて日本の空を飛び始める

「海外のエアラインと日本のエアラインの一番の違いは、日本のエアラインが短い距離を何度も飛行するという、ほかに国にはない機材の使い方をする点です」と、ANAの関係者は言います。「そういうことをボーイングの開発部隊にもきちんと理解してもらい、設計に反映してもらうのが、ローンチカスタマーである私たちの役割です」

整備がしやすい機体にするにはどこをどう改良すればいいか? 居住性や快適性の高いキャビンを実現するにはどんな工夫が必要か? 「ワーキング・トゥゲザー」チームのメンバーに選ばれたスタッフたちは、さまざまな視点からANAの現場の声を拾い集め、それをとりまとめてボーイングに伝えてきました。乗客からの要望の多かった温水洗浄式の便座なども、ANAが運航する787には全クラスに標準で装備される予定です。

787が従来の旅客機と違うのは、メーカーであるボーイングの技術者一人ひとりが「日本とアメリカの両国の技術者が国境を越えた強い絆のチームワークでつくった機体」だと考えていること。その「準国産」の最新鋭機が、いよいよ2008年から日本の空を飛び始めます。


【関連リンク】
ボーイングジャパン
ANA
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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