日本の3重工メーカーが全パーツの3分の1以上を製造
素材だけではありません。787では部品の製造にも、日本のメーカーが大きく関わっています。全体で見れば、部品の3分の1以上が日本製。787はまさに「準国産」とも言える旅客機なのです。
ところで、セントレア(中部国際空港)に2007年の春ごろから、胴体のふくらんだ何とも不思議な飛行機が飛来し始めました。「ドリームリフター」と呼ばれるこの機体は、787の主要パーツの製造を担当している日本から、完成した部品をアメリカへ運ぶためだけにつくられたもの。今年5月に、三菱重工の名古屋工場で製造された主翼が、セントレアから初めてシアトル郊外にあるボーイング社の最終組み立て工場に空輸されました。
787は日本の3重工メーカーが全パーツの3分の1以上を製造している |
上の図に示したように、787の開発・製造では、主翼のほかボディーや翼を取り付ける部分を川崎重工や富士重工など日本の重工メーカー3社が担当しています。
ドリームリフターは今後、完成部品の輸送で、日本とアメリカの間を1,000回以上も往復することになるでしょう。ボーイング社の最終組み立て工場では現在、日本から続々と主要部品が運び込まれ、2008年からの就航に向けて24時間体制での作業が続いています。
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