航空券/航空券関連情報

ANAマイレージクラブの独自戦略(2ページ目)

提携先企業の急拡大などにより、マイルの獲得や使い方のノウハウが大きく変わり始めています。マイレージ会員を順調に増やしているANAで、その戦略や今後の取り組みについて聞きました。

執筆者:秋本 俊二

1社では飛べない場所も
提携エアラインがカバー


そうした提携先の拡大とともに、ANAマイレージクラブが会員を増やしている秘密の一つが、プログラムの魅力でしょう。

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スターアライアンスはネットワークも充実
苦労して貯めたマイルは、航空運賃が高い繁忙期にこそ「特典航空券」に換えて使いたいもの。繁忙期は特典航空券での予約が取りづらいのも事実ですが、提携する外資系エアラインでチケットを取るという手があります。スターアライアンスに加盟するANAのマイレージ会員は、提携するエアラインも多い分だけ特典航空券が取れる可能性が高い。以前は、貯めたマイルをANAの特典航空券で使う人がほとんどでしたが、最近は提携他社の特典航空券を利用する会員がどんどん増えているそうです。

同じ顧客マーケティング部のアシスタントマネジャー、山室美緒子さんは言います。

「スターアライアンスのメンバー会社なら共通でマイルが貯められ、貯めたマイルを共通で使うことができます。利用者にとって、そのメリットは大きいですね。ANA1社では飛べない場所でも、スターアライアンスのネットワークを使えば世界中に飛ぶことができますから」

その利便性をより向上させるために現在進めているのが、「ホワイトスポット戦略」と呼ばれるメンバー会社不在の空白地域を埋める取り組みです。渡航需要の増大が見込まれる中国からは、今年末に中国国際航空上海航空の2社が新たにメンバーに加わることになりました。この2社の加盟により、中国への便が増便されるだけではなく、中国国内のネットワークも拡充されます。もちろん、マイルも貯められます。

憧れのビジネスクラスを
マイルを使って体験する


さらに2005年9月からは、自分のプログラムのマイルを使ってスターアライアンスのメンバー会社でアップグレードができる「スターアライアンス・マイレージ・アップグレード」サービスもスタート。現在はANAのマイルを使って9社でのアップグレードが可能になっています。

「貯めたマイルはアップグレードで使うのが一番得な気がします」と、あるマイレージ会員は言います。「最近は格安の航空券がいろいろ出回っているので、安いチケットが買えればあえてマイルを使わずそちらを選びますね。ところが、ビジネスクラスというのは自分ではなかなか利用できない。それをマイルで実現できるメリットは大きいですよ」

シートや機内設備、食事、サービスを含めて、ここ数年エアライン各社はビジネスクラスのリニューアルにしのぎを削っています。ビジネスクラスにフルフラットシートを導入する会社も少なくありません。従来のファーストクラスを超えるようなプロダクトさえ登場しました。その誰もが憧れるビジネスクラスを、マイルを使って体験できるというのはたしかに魅力でしょう。マイルを使っての他社便でのアップグレードは、ワンワールドやスカイチームはまだ実現できていない、スターアライアンス独自のサービスです。


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